ゲーム業界の「3Dデザイナー」とは?仕事内容や必要な技術を説明
3Dデザイナーとは、コンピューターを利用して縦、横、奥行きの3D(三次元)グラフィックスで描かれた立体感のある映像を制作するデザイナーです。
今や3Dデザイナーの需要はゲームだけではなく、建築や医療、テレビや映画といった幅広い分野で活用されています。
一目で分かりやすく印象に残りやすい3Dグラフィックスが一体どうやって作り出されているのか、そしてゲーム業界の3Dデザイナーの仕事内容や、実際に3Dデザイナーになるために必要な技術などをご紹介します。
目次
1. ゲーム業界における3Dデザイナーとはどういう仕事なのか
3Dグラフィックスは私達の日常に溢れているものですが、その裏で3Dデザイナーが一体どういった作業をしているのか把握している人は少ないのではないでしょうか。
そこで、まずは3Dデザイナーがゲーム業界で行っている仕事内容についてご説明します。
1-1. モデリング
3Dデザイナーとして基本的な仕事と言えるのがモデリングです。
陶芸や彫刻のように、「ポリゴン(Polygon)」という四角や平面から立体的な形を作り上げていく作業です。
2Dデッサン画を元に、キャラクター、モンスター、武器、背景などゲームで使用するオブジェクトを立体的にデザインします。
2Dに比べて3Dはデータ量が多く、ゲーム機に負荷が掛かってしまうなどの問題があります。
ゲームプレイに支障が出ないよう、必要最小限のポリゴン数でオブジェクトを作成し、いかに精工にモデリングしていくかのスキルが求められます。
また、モデリングをしたオブジェクトにテクスチャと呼ばれる絵を張り付けることで、髪の毛や肌の質感まで表現することができます。
1-2. モーション(アニメーション)デザイン、リギング
キャラクターに命を吹き込むとも言われるモーションデザインは、モデリングと併せて非常に重要なものです。
違和感のない動きを与え、実際に生きているかのように演出できるかどうかは、このモーションデザインにかかっているため、ゲーム制作においてモーションデザインは今や必要不可欠なポジションです。
モデリングで作り上げた3Dグラフィックスを動かすためには、ボーンと呼ばれる骨組みを埋め込み、リギングという作業をすることで初めて動かすことができます。
1-3. ライティングやエフェクト、カメラの設定
3Dは現実と見紛う程の世界観を作り出すことも可能です。
太陽の光、町の街灯、炎、魔法といった効果も3Dデザイナーが一つ一つ作り上げていきます。
キャラクター自身になったような視界や、まるで映画のようなストーリーのカメラワークを付けることで、その世界に入り込めるリアルな演出を3Dデザイナーが作っていくのです。
1-4. キャラクターや背景、UIなどに分担し、作業を進めることが多い
一口に3Dデザイナーと言っても、実際にはキャラクターモデリング、背景モデリング、テクスチャ、リギング、ライティング、モーションなどを分担し、
複数人で協力することで1つのゲームが制作されていくことが多いため、周囲の人としっかりコミュニケーションを取りながら仕事を進めることが求められます。
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2. 3Dデザイナーになるために必要なスキル・資格
「3Dデザイナーになってみたいけど、一体どういったスキルや資格が必要なのか分からない」といった方へ向け、3Dデザイナーになるために知っておくべき情報をご紹介します。
2-1.3Dツール
3Dグラフィックスを制作する上で、3Dデザイナーの殆どは3DSMAXやMAYA、Softimageといったソフトウェアを利用しています。
それぞれにソフトの特徴があるため、自身が所属する業界・会社の傾向に合わせて使うソフトウェアも使い分けるといった3Dデザイナーも多いでしょう。
あらかじめ複数のソフトウェアを利用できるようにスキルを身につけておくことで、転職活動時には強い自信へと繋がるはずです。
2-2. 忍耐力
3Dグラフィックスの制作には強い忍耐力が必要です。その理由は、制作にとても時間が掛かるケースが多いためです。
簡単な3Dグラフィックスであれば30分から1時間程度の時間で制作できることもありますが、その一方で1つのキャラクター作りに数ヶ月掛かるケースもあり、
求められるクオリティに少しでも近づける為に3Dデザイナーとして1つ1つの作業を丁寧にこなしていく忍耐力が必要だと言えるでしょう。
2-3. デッサン力
3Dデザイナーが実際に2Dの絵を描くことは少ないですが、360度どこから見ても違和感のない表現をしなくてはならないため、2D以上にデッサンを理解している必要があります。
2Dキャラクターデザインと全く違う3Dのキャラクターが登場してしまってはゲームが台無しになってしまいます。
違和感の無いようモデリングを仕上げることも3Dデザイナーとしての使命です。
ゲーム業界ではこういった2Dと3Dデザイナーが行う仕事は本来区別されていますが、場合によっては両方の技術が求められることも多いため、両方の技術を身につけておくと評価が高まるでしょう。
2-4. 持っておくべき資格
3Dデザイナーになるための資格として鉄板なのが、CGクリエイター検定です。
CGソフトウェアを有意義に使えるのかどうか、3Dグラフィックスの表現能力や知識を推し測る検定で、3Dデザイナーとして就職活動を行う上で外せないものと言えるでしょう。
他にも、色彩検定の資格を持っておくと評価が高まることもあります。
デザインを行う上で扱う「色」に関する知識を問う検定で、1級2級3級と3つに分けられています。
上級資格になるほど難しくなるため、まずは3級から受講するのがオススメです。
3. 3Dデザイナーに求められること
3Dデザインはここ数年で技術が格段に進歩しており、次々と新しい技術や表現が生まれ、主要ツールが変わり、どんどん身近なものになってきています。
それと同時に求められるクオリティも格段に上がっているため、新しい技術や表現を追い求める広い視野が必要とされます。
4. 3Dデザイナーのニーズと今後の展望とは
3Dデザイナーとして長い間活躍できるかどうか今後の展望へ不安を抱かれている方へ向けて、3Dデザイナーのニーズや今後の需要についてご紹介します。
4-1. コンシューマーゲームだけでなく、アプリなどでも需要が増加
3Dゲームと言えば、一昔前は据え置きのコンシューマーゲームやコンピューターゲームが大半を占めていました。
しかし昨今ではスマートフォンの性能が向上したことにより、スマホアプリでも3Dゲームが増加しています。
媒体となるゲーム機の性能がアップするのに応じて、ゲーム性を高める3Dを導入するゲーム会社も多いと言えるでしょう。
今後もますます性能が上がっていく事を踏まえると、3Dデザイナーは未来へ進むほど需要の高まる職業だと言えます。
4-2. VRの需要も増加し、将来性あり
VRとは仮想現実とも言われていて、コンピューターを用いて現実に似せた仮想世界を作り出す技術のことです。
昨今ではこのVRシステムの開発により、様々な3Dグラフィックスが使われています。
仮想世界で会議室を作り上げ自宅でゆったり会議を行えたり、あたかも自分自身がゲームの世界に入り込んだかのようなゲームを作り上げることが出来たりと、今後はVRの需要がより高まると予想されます。
VRの需要に応じて3Dグラフィックスがより活用されるということは、3Dデザイナーのニーズも高まることに繋がるでしょう。
5. まとめ
いかがでしたでしょうか。今ではゲーム業界に限らず、様々な分野で3Dデザイナーが手がけた3Dグラフィックスが見受けられます。
ひと目で分かりやすく印象に残りやすい3Dグラフィックスが社会的にも多用されるようになると、それに準じて3Dデザイナーも需要の高いものになっていくでしょう。
将来的には他の道が開きやすい事も踏まえると、3Dデザイナーはゲーム業界に興味を抱いている方にとって理想的な職業の1つだと言えます。
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