シーンは拡大するが、成功は茨の道?ユーザーとしてのモバイルゲームビジネスの今後


昨今、e-sportやライブストリーミング配信サイトの隆盛により、プレイヤーとしてのゲームビジネスが注目されています。

ゲーム好きの方にとって、好きな時に好きなだけゲームをしてお金を稼げるというのは、夢のような生活でしょう。

ゲームは主にコンシューマー・モバイル・PCの3つのプラットフォームに分類されますが、本記事ではモバイルゲームビジネスについてご紹介します。

 

1【ユーザー増加に伴い、ビジネスシーンは間違いなく拡大する】

現在、コンシューマー・モバイル・PCの3つのプラットフォームの人口を比べると、モバイルが圧倒的なプレイヤー人口を誇っています。

2018年にファミ通が行った国内調査では、家庭用ゲームユーザー666万人、PCゲームユーザー403万人に対し、モバイルゲームユーザーは1754万人と桁1つ違う数字をたたき出しています(複数のプラットフォームをまたぐユーザーは除く)*1。

 

人口増加に伴い、競技シーンでも大会が増加しており、バトル・ロワイアルゲームを世界に浸透させた大人気ゲームPUBGでは、PUBG Mobile Club Open 2019というモバイル限定の世界大会も開催されています。

その賞金総額はなんと日本円で約2億超。

PCやコンシューマーの大会と比べても遜色ない規模で市場が拡大しています*2。

 

プロゲーミングチームも続々とモバイル部門を設立していて、stylishnoob氏やSHAKA氏などの有名ストリーマーが多数所属するプロゲーミングチーム「DeToNator」は2018年に、PUBG部門とは別にPUBG mobile部門を設立しました*3。

 

ライブストリーミング配信のツールも充実してきており、ツイキャスやMirrativといったアプリケーションでは、携帯だけで画面のキャプチャー・配信が行えます。

ほんの数年前まではモバイルゲームを配信しようとすると、キャプチャボードなどの機材をそろえてパソコンと接続したり、エミュレーターを使用したりとかなり手間がかかりました。

それが近年携帯だけですべて行えるようになり、新規参入の敷居が下がったことにより今後もモバイルゲームのライブストリーミング配信環境はますます発展していくと言えるでしょう。

 

2【実力が求められる競技シーン、面白さが求められるストリーマーシーン】

しかし、人気が増し市場が拡大すれば簡単に成功できるとは限りません。

競技シーン・ストリーマーシーン共に、人口が増えればその分自分が埋もれてしまう確率が上がります。

モバイルゲームはお手軽な分、ライバルも多いのです。

稀有な付加価値を自分に付け、周りと差別化を図らないと生き残ることができません。

 

競技シーンでは、シンプルに総合的なプレイの上手さのみが求められます。

強い人間が勝つ、単純明快な世界です。

競技人口が増えれば、その分天才的なプレイヤーも多く出現します。

競技人口が多い中国が、どのゲームの競技シーンでも強豪国であるというのがなによりの証拠です。

 

また、人口が増えるとプロゲーミングチームに所属するための競争も激化し、スポンサーを付けるのも難しくなります。

普通のプロスポーツでは、プロチームは何十人、何百人といったプレイヤーを抱えますが、e-sportsのチームは少数精鋭のチームがほとんどです。

 

先ほど紹介したDeToNatorでは、PUBG mobile部門はコーチを除きたったの5人しかプレイヤーが在籍していません。

しかし、プロチームに所属すると、スポンサー企業から周辺機器の提供が受けられたり、ゲーミングハウスなどの練習環境が用意されたりといった待遇を受けることができます。

競技シーンのプレイヤーとして生活しようとすると、プロチームへの所属は必須です。

モバイルゲームのプロチームに所属するというのは、実はかなりの狭き門なのです。

 

しかし、モバイルゲームのストリーマーはさらに厳しい現実が待っています。

競技シーンは基本的にモバイルとPC・コンシューマーが部門で分けられています。

ですがライブストリーミング配信は、モバイルもPCもコンシューマーも関係ありません。

面白い放送に人が集まります。

ですから、画質や有名タイトル数で圧倒的に勝るPC・コンシューマーと同じ土俵で競争しなければならないのです。

 

モバイル・PC・コンシューマーの3つのプラットフォームでサービスを提供している大人気サンドボックスゲームのマインクラフトを例に出すと、PS4はパイレーツオブカリビアンやトイストーリー、ファイナルファンタジーなどとコラボしたテクスチャやマッシュアップが豊富です。

PC版はテクスチャや有志が制作した追加コンテンツであるMODでゲームを自由にカスタマイズでき、突出した拡張性を持ちます。

モバイルにもテクスチャやMODはありますが、その数や質は他のプラットフォームと比べてかなり劣るので、わざわざモバイルの配信に人が集まらないというのが現実です。

そのような現状の中で、モバイルゲームはどうやって他のプラットフォームと差別化すればよいのでしょうか。

 

 

3【モバイル故の手軽さを武器に】

モバイルゲームはその他のプラットフォームと比べて、その手軽さが競争を激化させる原因であり、強みでもあります。

仕事をしながらプロゲーマーを目指す人にとって、PCやコンシューマーだと家でしか練習ができません。

しかしモバイルゲームは携帯があり、電波が通じればどこでも練習することができます。

移動中、休憩時間、ベッドの中、いつでもトレーニングを積むことができるのです。

 

ゲームの上達はプレイの合計時間と大きく関わるため、プレイヤーの情熱次第でいくらでも上達スピードを上げることができます。

ユーザーインターフェイス(UI)に関しても、ボタン配置や感度しかカスタマイズできないPC・コンシューマーと違って、画面に表示されるUIの位置や大きさまで詳細に変更でき、独自性を追求できます。

 

ライブストリーミング配信においても、例えばリアルタイムで視聴者からリクエストされたゲームをその場でダウンロードしてプレイするといったような、ゲームの手軽さを利用した配信スタイルを確立させることで、モバイルゲームをその他プラットフォームと差別化できます。

フリーゲームはPCにも多く存在しますが、数分でダウンロードできるようなゲームの数は、アプリゲームのほうが多いです。

 

そういった要素をうまく使いこなし、モバイルならではの利点を最大限活かすことが重要です。

それを実現することができれば、モバイルゲームのプレイヤーとしてお金を稼ぐということは夢物語ではないのではないでしょうか。

 

 

4【まとめ】

ゲームのプレイヤーとしてお金を稼ぐにあたって、モバイルゲームの人口増加や手軽さがビジネスの競争を激化させるという理由を述べてきましたが、それを逆手に取って考えることで、モバイルゲームの強みや差別化する方法を見つけることができます。

モバイルゲームでお金を稼ぎたいという方は、是非モバイルゲームの独自性を追求して、拡大する市場に乗り出してみてはいかがでしょうか。

 

【参考】

*1 Social Game Info :【ファミ通調査】2018年の国内ゲームアプリ市場は1兆1660億円に伸長国内クラウドゲーム市場は2022年に100億円突破の見込み 『ファミ通ゲーム白書2019』発刊

https://gamebiz.jp/?p=240312

 

*2 ファミ通AppVS  :【PUBG MOBILE】年間賞金総額2億円、優勝すれば世界大会へ!

PUBG MOBILE JAPAN CHAMPIONSHIPスケジュール・結果まとめ

https://appvs.famitsu.com/20190430_23176/

 

*3 DeToNator:PUBG MOBILE

https://detonator-gg.com/members/?game=13

 

ライター名:茶谷勝臣

プロフィール:1999年4月7日生 龍谷大学在学中。個人事業主としてライター・ナレーション・動画編集業を行う。保有資格 秘書検定2級、宗教文化士。

 

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