メダロットSに学ぶデバイスのUXに合わせた順応の仕方とは


2020年1月、イマジニアからスマホ向けRPG「メダロットS」がリリースされました。

事前登録者数は15万人を超え、順当にプレイヤーを増やしています。

 

さて、メダロットシリーズは時代の変遷とともにプラットフォームを変え、その時々のユーザーに最適化されて提供されていました。

本稿ではこれまで本シリーズがモバイルゲームのデファクトスタンダードとして培ってきたノウハウをスマホゲームに順応していく為のポイントに迫ります。

 

「メダロットS」公式サイト:https://medarotsha.jp/ms/

 

ゲームの概要

 

初代「メダロット」は元々1997年にゲームボーイ用ソフトとして販売されたRPGです。

現代と近未来感の間に位置する世界観で、プレイヤーは自分のパートナーとしてロボットを操作し、3対3のチームバトルを繰り広げます。

バトルに勝利したり街のショップでカスタムパーツを購入したりすることで少しずつメダロットを強化でき、自分だけのカスタムを追求する事で楽しまれました。

 

当時「ポケットモンスター」に端を発した、バージョン違い商法を用いたカートリッジの販売方法で話題を呼び、折からのゲームボーイソフト市場活性化もあって一気にシェアを獲得します。

そこから本シリーズは2から5までがゲームボーイカラー、6から9作目まではニンテンドーDS, ニンテンドー3DSを舞台に商品展開しています。

途中プレイステーションでも商品展開しましたが、ほとんどが据え置き機ではなく携帯端末機であることが特徴です。

 

こういったバックグラウンドを持つ本シリーズは、スマートフォンゲームと非常に親和性が高く、リリースを待ち望まれていました。

 

何故今「メダロット」なのか

 

昨今80年代、90年代のゲームIPをモチーフとしたスマホゲームが乱立しています。

「ポケモン」シリーズの「ポケモンマスターズ」、ミニ四駆をモチーフにした「ミニ四駆超速グランプリ」。

「遊戯王」シリーズをモチーフとした「遊戯王デュエルリンクス」、「デジモン」シリーズをモチーフとした「デジモンリアライズ」など、枚挙にいとまがありません。

こういった苛烈しているゲーム市場における「メダロットS」の登場は、メインターゲットの年齢層に強く起因します。

 

「ポケモンマスターズ」と「遊戯王デュエルリンクス」の紹介記事があるので、興味のある方はそちらも参考にしてみてください。

・遊戯王デュエルリンクスで学ぶカードゲームの王者がスマホアプリ化で必要としたこと

URL:https://game-creators.jp/media/column/239/

・ポケモンマスターズの事例で学ぶクリエイティブのグロースハック

URL:https://game-creators.jp/media/column/223/

前述したタイトル群はいずれも1990年代にコロコロコミックやコミックボンボンといった、少年向けホビー雑誌とのタイアップによるマルチメディア展開したタイトルです。

これらの文化をバックボーンに持つ当時のメインターゲットがアラサー世代になり、可処分所得と可処分時間をゲームに割ける様になったことが大きな追い風と言えます。

こうしたマーケティング背景を鑑みると、このようなホビーやおもちゃをモチーフとしたゲームタイトルが2020年代に登場するのは必然と言えます。

 

また、タイトルに目を向けると本シリーズはこれまでも何度かリブートをしており、新規ファンの創出に精を出しています。

しかし、「ポケモン」や「デジモン」といった人気コンテンツと比較すると新規ファンよりも根強いコアなファンに下支えされている割合の多いタイトルという傾向があります。

 

こうした背景を持つタイトルの為、スマホゲームの持つ「スマホを持ってさえいればもっと新規ファンにリーチできる可能性がある」という特性を活かす事で、より新規ファン獲得に適しています。

 

 

スマホ最適化に必要な要素

 

家庭用ゲームからモバイルゲームへ移行する際に、どの要素をオミットし、どの要素を活かすかはとても重要です。

また、その活かす要素をそのまま反映させるのか、それともあえて今の主流のプレイスタイルに順応させるのか、といった点も成否を分けます。

 

本シリーズではロボトルという戦闘方式があり、バレーコートの様に画面を2分割し、それぞれ左右の端から一斉に走り始め、真ん中の分割線まで先にたどり着いた者が攻撃できます。

この特殊なスタイルは特に初期シリーズにおいては、総プレイ時間にダイレクトな影響が出るほどの長さになり、今振り返るとかなりストレスのあるものでした。

しかしこの待つ時間のハラハラや、画面内でデフォルメされている描写の中で描けていない表現をプレイヤーが脳内補完する、という別の楽しみ方を提供していたのも事実です。

 

この本シリーズのお家芸であったロボトル方式は、最新作である「メダロットS」でも実装されていますが、ただ忠実な再現だけではありませんでした。

スマートフォンアプリユーザーの中には、サクサクと手軽にプレイをしたい、という要望を持つ方もおり、オールドファンとは別のニーズを持っていることがあります。

そうした多様化するニーズに応じて、戦闘時のみ倍速機能とオートプレイモードが実装されています。

 

こうした、昨今のプレイ習慣から見ると一見ユーザビリティを損ねてしまう様なスタイルであっても、ゲームが持つアイデンティティを見定め、取捨選択をすることが求められます。

そして、新規プレイヤーに向けてそのアイデンティティを保ったまま使い勝手を良くして行くアプローチが新たなファン創造に繋がります。

 

強化と成長にもソシャゲ要素をブレンド

 

ソーシャルゲームで主流となっているプレイスタイルで、戦闘と強化を繰り返し、ひたすらキャラクターを強くしていくことが主目的となる、ハック&スラッシュタイプとよばれるものがあります。

これは買い切り型のコンシューマー機が得意とする、リッチなグラフィックを用いた世界観演出で上質なユーザーエクスペリエンスを提供するゲーム達とは全く異なる価値を提供するものです。

この違いの根底には、スマホゲームユーザーのプレイ環境が関係しています。

 

スマホゲームは「生活の中でネットサーフィンやチャットコミュニケーション等の行動と並行して存在するライトにサクサク遊ぶもの」という意識があるからに他なりません。

そうした中で少しでもゲーム滞在時間を長くできるか、が永続性のあるビジネスとして肝要です。

 

本シリーズでは頭部、腕部、脚部、胴体のそれぞれ4つがパーツとして設定されており、敵を撃破するごとにそれらを獲得し、プレイヤーが強くなる、というのが醍醐味でした。

このパーツという概念は収拾すること自体が面白さでもあると同時に、強化していくことで実用性を帯びて行くプロセスに達成感がありプレイ動機になっていくものです。

 

こうしたコレクタブルな要素や成長要素と、スマホユーザーがゲームに求めるニーズへの供給として、パーツ自体のレベルアップがほぼ無尽蔵に行えるというものがあります。

この様な育成要素がやりこみ要素となり、ライトなプレイスタイルは変えないまま、長期的な利用を促す機能として活きてきます。

 

まとめ

 

「メダロットS」では、生来持っていた携帯端末機向けのソフトでのナレッジを、スマホ環境へ順応させることで自らのバックボーンを活かしたゲーム作りがなされていました。

 

ゲームボーイやニンテンドーDSで実施していたことをそのままなぞるだけではなく、スマートフォンを利用しているユーザーがどういったプレイ環境にいるかを加味した設計がなされています。

また、スマホゲームとしてリブートさせるにあたって、元のコンテンツのメインターゲットであった年齢層のユーザーが重課金できる時期にマッチしたことも大きな成功要因といえます。

 

こうした、ゲームとしてのノウハウ有無はもちろんのこと、それをマーケットインするタイミングをメインターゲットに合わせて実施する事が求められます。

何を活かして何をアレンジするか。オリジナルが偉大であればあるほど、要素の取捨選択は死活問題となります。ゲームのアイデンティティとプレイ環境のトレンドを見て要素を順応させる事が新たなファン創造や永続性のあるゲームビジネス運営になっていくことに繋がります。

 

ライター名:ビットリズム

プロフィール:国産ゲームで産湯を使ったロムネイティブなゲームエバンジェリスト。QOL向上に必要なのはワーク・ライフ・ゲームバランスだと信じている。

 

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