やりたいことを詰め込もう。『エージェント・インターセプター』に見る面白いゲームの作り方


映画やゲームが好きなら、誰しもお気に入りの作品やシーンを持っているものです。

 

『エージェント・インターセプター』は、スパイアクションにおけるお決まりのシーンをしっかりと再現することに特化したApple Arcade作品となっています。

 

『エージェント・インターセプター』の遊び方

『エージェント・インターセプター』では、プレイヤーは組織のエージェントとなり、エージェント専用の車に乗って悪の組織の野望を打ち砕くドライブアクションを堪能できます。

https://pikpok.com/games/agent-intercept/

 

「エージェント」となって組織を撃退

悪の組織の野望を阻止するエージェントといっても、実際にプレイヤーが体験することになるのは車の運転です。

 

基本は自動運転によるスクロールアクションですが、細かなハンドルの操作やブースト、アイテムの使用など、ドライブ限定とはいえ楽しめるアクションは豊富です。

 

主人公が車から降りて活動することはありませんが、ゲーム中では車を用いた様々なミッションをクリアしていくことができるようになっています。

 

ド派手なカーチェイスやクライマックスシーンなど、アクション映画やスパイ映画には車を使った演出というのは不可欠の存在です。

車だけのスパイアクションと聞くと淡白に感じてしまうかもしれませんが、これだけでもゲームが成立するよう、様々なギミックが盛り込まれている点は見逃せません。

 

水陸両用のドライブアクションを楽しもう

『エージェント・インターセプター』はドライブアクションとは言ったものの、必ずしも操作している乗り物がいつも車であるとは限りません。

 

主人公のエージェントが運転する車はスパイ映画にはおなじみの、自由自在に変形が可能な特殊仕様の自動車です。

 

川に突っ込んでいったかと思えばそのままボートに変形し、車のドライブから船舶の運転へと、プレイ方法はそのままに、違った乗り物の運転をも楽しめるようになっています。

 

ゲームシステムとしては基本的なスクロールアクションとなっており、ゲームクリアとともに敵を撃破した数などでスコアが算出される設計になっています。

 

一見シネマティックにも思える作品ですが、Apple Arcadeのゲームらしく、サクサク遊べることを基調としている点は、この手のゲームでは珍しいと言えるでしょう。

 

とにかく憧れのアクションを詰め込んだ作品

通常、アクション映画で最も盛り上がるシーンはクライマックスだけにセッテイングされているものですが、『エージェント・インターセプター』ではクライマックスを最初から最後まで体験できてしまうのが魅力です。

 

映画のワンシーンをスマホゲーで好きなだけ再現

誰もが度肝を抜くようなアクションの連続は、映画ではよく見かける光景かもしれませんが、実際にゲームでそれを再現するとなると、多くの困難が伴うことがわかります。

 

シネマティックなゲームを作る場合、まず立ちはだかるのが容量の問題です。

 

映画さながらのシナリオをゲームで再現する際、家庭用ゲームならまだしも、スマホゲームでそれをやるにはスペックの都合上、容量の問題をクリアしなければならず、映画のようにきちんと起承転結を作れば、どうしても1シーンごとが淡白になってしまいがちです。

 

あるいは単純に個人制作で映画のような超大作をゲームで作るには途方も無い時間がかかるため、コストの面からも厳しいものがあります。

 

しかし、これはあくまでも「映画のようなゲームを作りたい」場合の話であって、「映画のあのシーンを再現したい」ということであれば話は別です。

 

『エージェント・インターセプター』は、そんなクリエイターの夢を具現化した作品であるとも言えます。

何しろ、ゲームそのものに起承転結はなく、ただひたすらに映画のクライマックスを堪能することに力を入れている作品ですから、良い意味で「いいとこ取り」をゲームで実現しているのです。

 

家庭用ゲーム機なら物足りなさはあるかもしれませんが、スマホゲームならこれくらいの詰め込み具合が程よいボリュームになっているのではないでしょうか。

 

毎日少しずつ遊べるからこそやめられない魅力

『エージェント・インターセプター』は、1プレイが5分ほどと非常にコンパクトなプレイ時間に収まっている点も魅力です*1。

 

ゲームは必ずしも長ければ長いほど良いとは限らず、このゲームのように常にクライマックスシーンのような派手さが詰め込まれた作品であるならなおさらです。

 

ステージ数も豊富なのですが、面白いのは一日に1つ新しいステージを遊ぶことができるというデイリーチャレンジです。

一度のプレイでは限られたステージしか遊べないのですが、代わりに毎日新しいステージが配信され、そこでスコアをひたすらに競うという遊びがオンラインでは可能になっています。

 

一度に全部クリアしてしまうと怒涛すぎて何が起こったのかもわからないことになりそうですが、あえてステージを小出しにすることで、同じステージをひたすらに繰り返してハイスコアを狙うという昔ながらの遊び方もプレイヤーに楽しんでもらうことができるのです。

 

『エージェント・インターセプター』に学ぶ、個人制作のポイント

『エージェント・インターセプター』は一見すると大味なゲームのように思われるかもしれませんが、インディーズ作品には欠かせない、大切なポイントを伝えてくれる作品でもあります。

 

スマホゲーのシンプルさを逆手に取った作品

上述の通り、スマホゲームはスペックや操作性の問題から、PCゲームや家庭用ゲームに比べて淡白な作品となってしまいがちであるため、シネマティックな作品をリリースすることには何があります。

 

しかし『エージェント・インターセプター』のようなスクロールアクションは、むしろ低スペックを前提としたスマホゲーム市場でなければ日の目を見ることがなかったであろうゲームであることも確かです。

 

プレイヤーは、「スマホゲームはスペックが低い」ことを前提にゲームを楽しむ姿勢で向き合ってくれるため、多少大味だったりクオリティが雑でも喜んでくれるのです。

 

これは決して手抜き作品を甘やかすということではなく、「スマホゲームにしては凝った作りだな」「アイデア次第でこんなゲームができるんだな」という評価軸を持っているため、スマホゲームのクオリティで市販の超大作と比較される心配がないという話です。

 

実は制作側にも易しい設計に

そんなインディーズ精神が旺盛なスマホゲーム市場ですから、とにかく思いついたことは何でもやってみることができるのも、クリエイターにとっては嬉しいところです。

 

App Storeなどは売り上げからマージンを徴収するだけで、配信にはお金がかかりません。

 

お金はいらないから、とりあえず一人でも多くの人にゲームを楽しんでほしいというクリエイターにとっては、まさにチャレンジしがいのある環境と言えるでしょう。

 

『エージェント・インターセプター』はいわゆる映画のクライマックスを詰め込んだ作品ですが、ステージをデイリー配信することによって、容量が大きくなってしまう問題を回避するとともに、ステージ設計をゲームのリリース後に行っても問題ないというシステムを構築しています。

 

配信日が近づいているからといって、慌ててステージを作る心配はありません。

 

 

一度本編を配信してからユーザーの増減の具合を参考にしつつ、一定のペースでステージを配信するという手法によって、スケジュールがタイトなインディーのクリエイターでも、落ち着いたペースで開発に取り組むことができます。

 

プレイヤーに遊んでもらいながら開発に勤しめるのは、まさにインターネット時代の現代だからこそなせる環境であると言えるでしょう。

 

おわりに

プレイヤーに感動してもらったり、飽きさせない工夫をどのように凝らしているかは、ゲームを楽しむ上でチェックしておきたいポイントです。

 

『エージェント・インターセプター』のように一見ありきたりの作品でも、あえて一日に遊べるステージを絞ってしまう手法は、飽和しやすい現代のゲーム市場においては有効な施策であるように伺えます。

 

出典:

*1 ゲームキャスト「C級スパイ映画のお約束ぎっちりの『Agent Intercept:エージェント・インターセプター』。爆破、体当たり、変形…あらゆる手を使って悪の組織を阻止するドライブアクション」

http://www.gamecast-blog.com/archives/65949659.html

 

ライター名:Satoru Yoshimura

プロフィール:ライター。20年以上の付き合いがあるビデオゲームとアメリカ音楽をテーマとした活動が中心。「日本のゲーム音楽がヒップホップに与えた影響」などブログで公開中。

 

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