ゲームUIデザインとは?UXデザインとの違いやUI制作のポイントについても解説!


ユーザーに楽しんでもらうゲーム制作に必須な要素であるUIデザイン。ユーザーにとって使いやすく遊びやすい設計をするために必要な概念になっており、ゲームに限らず様々な業界におけるデザインに用いられる概念です。
本記事ではゲームにおけるUIデザインの重要性やUXデザインとの違い、UIデザインの必要性について説明していきます。

UIデザインとは

UIデザインについて

UIデザインのUIとは、User Interfaceの略語です。ゲーム、HPなどの様々なプロダクトとユーザーの”接点”を意味しており、「ユーザーの目に触れる部分」と解釈されます。
ゲームでいえば、キャラクター/ガチャ/クエスト/アイテムなどの様々な視覚的情報が存在します。これを適切に配置する事でユーザーにとって使いやすいデザインにすることが出来、UIデザインはゲーム制作において重要な概念になります。
どれだけキャラクターやストーリーが魅力的であっても、操作性が良くないゲームはユーザーにとって使いにくくユーザー離れを起こしてしまいます。UIデザインはユーザーにどんな情報を、どのように届けるかを意識して作成する必要があります。

UXデザインとの違い

UIと併せて語られる概念に「UX」が挙げられます。UXとは、User eXperienceの略語で、”ユーザーの体験”と解釈されています。先述したUIが”使いやすさ”に着目されている事に比べ、UXは”ユーザーにどんな体験をしてもらうか?”という点でそれぞれに違いがあります。
このUIとUXは別々の概念として説明されますが、より良いゲーム、サービスを制作するためにはこの2つを必ず意識してデザインしなければいけません。大まかに分けると
どんな情報をどの様に配置するか:UI
何を感じてもらうか:UX
という構図になります。よって、使いやすく分かりやすいデザインであれば、ストーリーやキャラクター、バトルシステムといったゲームそのものの面白さを感じてもらう事が出来、”面白い・また遊びたい”といった感情をユーザーに抱かせることが出来るのです。

ゲームにおけるUIデザインの役割

ユーザーに適切な情報を伝達する

UIデザインの役割は、ユーザーに適切な情報を伝達する役割になります。ではそのために必要になる要素は何が挙げられるでしょうか?下記にて説明します。

 

・誰に遊んでほしいか?(ターゲット層の明確化)
ゲームUIデザインを考えるときにまず必要になるのは、ターゲットを明確化する事です。例えば
〇年齢:10代~20代
〇属性:学生
〇趣味嗜好:ファッション、恋愛
といったターゲット層を設定した場合、個性的なキャラクターや奇抜な演出を押し出す事で魅力的に感じてもらえるかもしれません。

 

また
〇年齢:30代~50代
〇属性:社会人
〇趣味嗜好:昔からのゲームファン
といったターゲット層で初期タイトルの続編をリリースするといった場合は、昔からの制作当時のデザインを踏襲しつつ、よりユーザーの使いやすさを重視した設計によりユーザーに必要な情報を伝達することが出来ます。
あくまでこれは一例ですが、どんなターゲット層かという点をまずは明確にする事で伝えるべき情報を見極めることが出来ます。

 

・どんなアクションを起こしてほしいか?(目的達成のための導線設計)
基本的にゲームは、ゲーム内の目的達成のために様々なアクションを起こす必要があります。そのため、バトルをする/クエストをクリアする/アイテムを入手する…といったアクションをユーザーに分かりやすく説明する必要があり、チュートリアル等は重要な要素になります。
また目的達成はユーザーにとってだけでなく事業者側の目的達成も含まれます。特にアプリゲームの様に、広告クリック/ガチャといった収益ポイントがある場合は、いかに不快感を与えずユーザーにそのアクションを起こしてもらうかという点を意識する必要があります。課金選択画面は分かりやすいか?ガチャのアイコンは目立っているか?という様にいかに収益を上がるかという点も考慮するようにしましょう。

 

・ユーザーに何を伝えたいか?(優先度をつける)
それぞれのゲームには、シナリオ/バトル/キャラクター等の”ウリ”があります。ゲームの魅力を感じてもらうにはいかにゲームのウリを伝えるかが重要になり、伝えたい要素によって文字のフォントを変える、3Dデザインに敢えてイラストを組み込む、会話パートは立ち絵で表現する等の施策を通してユーザーに感じてもらう事が重要です。
設定したターゲット層に起こしてほしいアクションを決めたら、何をユーザーに感じてもらうかを洗い出し、それぞれに優先順位をつけて設計します。

ユーザー離れを防ぐ

UIを考慮する上で、ユーザーに飽きさせない/離れさせない施策は必要不可欠になります。
ユーザビリティコンサルタントのスティーブ・クルーグ氏は、UIデザインにおける提言として”ユーザーに考えさせるな”という言葉を残しています。
考えさせないとは、”考える必要がない”という意味になっており、先に説明したどの様な情報を伝えるか?という観点を基に、ゲーム内用語の意味/画面が変わるとどうなるか?/アクション可能か?といったユーザーが疑問に感じる基本的な要素をしっかり抑えておく必要があります。ユーザーが直感的に操作できるUIデザインを心掛ける事でユーザー離れを防ぐことが出来ます。

ゲームUIデザインの作り方

一般的な制作の流れ

UIデザイン制作時には主に、①仕様書とワイヤーフレームの作成→②本番デザイン作成→③テストといった流れで進んでいきます。下記にてそれぞれ進めていきます。

 

①仕様書とワイヤーフレームの作成
仕様書作成時にはまず、そのゲーム内の機能を全て洗い出します。例えば育成シミュレーション系ゲームの場合は、パラメータ強化/ストーリーシステム/トレーニング/バトル等の機能があります。またガチャ/ショップ/受信メール/プロフィールといったアプリゲームに見られる様なシステムもあります。仕様書の時点でまずはゲーム内の視覚情報にまつわる機能を洗い出す必要があります。
機能を洗い出したら、それをどの位置に、どの様に配置するか?という設計を考えるためのワイヤーフレームを作成します。この時点でデザインの入ったラフ案を作る事もあります。
ワイヤーフレーム作成時にはまず全体の画面構成を決めたうえで、細かなアイコンやボタン、背景といった要素を当てはめていく事で完成させていきます。

 

②本番デザインの作成
ゲームジャンルによって2Dアニメーション、3Dデザイン、ドット絵等のデザインコンセプトがあります。①にて説明した画面構成を実際のゲームデザインに反映させることで、ワイヤーフレーム作成時とのギャップが無いかを検証していきます。

 

③テスト
ワイヤーフレーム作成、本番デザインへの反映が終了したら、実機で正しく機能が正常に作動するかを検証します。UIデザインとは少し違う領域ですが、この時点でバグやエラーがあれば修正を行います。またユーザーテストを実施してユーザーの声を見る事でより使いやすいUIデザインに修正する事が可能になります。

ゲームUI制作に使用される主なツール

UIデザイン制作は会社の制作体制によって異なりますが、他部署にもより分かりやすく説明するためにはデザインツールを使用してUIデザインを制作する事もあります。

 

・Photoshop
PhotoshopはAdobe社から発売されているデザインツールです。UIデザインにおいては主に全体のレイアウトや背景、キャラクター、文字のフォント等を実際のゲームデザインに沿って制作することが出来ます。そのためUIデザインに限らず、ゲーム業界における仕様書やワイヤーフレーム作成時によく使用されます。

 

・illustrator
PhotoshopだけでもUIデザインの制作は可能ですが、ゲーム内アイコン作成時はillustratorが便利です。ペンツール、図形ツールといった機能が搭載されており、illustratorで制作したアイコンはPhotoshopにインポートする事が可能です。この2つを併用する事で本番さながらのUIデザインを制作することが出来ます。

 

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ゲームUIの改善ポイント

UIは、設計したらそれで終わりではありません。
ゲームリリース後もより効果の高いUIを目指し、様々なポイントを基に改善を加えていく必要があります。下記ではUI改善時に意識すべきポイントを解説します。

ユーザー分析を通した改善

UIを改善するうえで一番重要となるのはユーザー分析です。
サービスを利用したユーザーがどの様な動きをしたのか、どこで離脱したのか、どこから流入してきたのかといったユーザー状況、使用状況を分析し、適切なUIを設計する必要があります。
自社がターゲットと定めたユーザーが、”何を求めているのか?”という点を併せて意識しつつ、ユーザーの検証イメージを徹底的に分析する様にしましょう。
またユーザー分析時には、「ユーザーテスト」を行う事が効果的です。Aパターン/BパターンのUIをそれぞれ用意し、どちらのUIが理想のユーザーの動きを実現しているかを検証する事が有効です。

ゲームの目的を明確化し、細かい導線を整える

ゲームを楽しんでもらうためのコンセプト設計や目標設定はもちろん大事ですが、売上という目的達成のための導線設計は非常に重要になります。
例えば、
・ガチャを回して課金してほしい
・アイテムを購入してほしい
・動画広告を定期的に再生してほしい
など、ゲームマネタイズには様々な目的が存在します。

 

その目的を、いかにユーザー体験を阻害することなく達成させるかは、特にアプリゲーム/ソーシャルゲームにおいては至上命題にもなります。
文章やビジュアル、コンテンツの導線設計を適宜見直す事で、ユーザー体験を向上しつつ、売上を挙げることが出来るゲームUIを設計することが出来ます。

ゲームUIデザイナーに必要なスキル・経験

ゲームUIデザイナーとは、文字通りゲーム内のUIを考案し設計する職種です。
ここまでで説明した通り、ゲーム内にはメインビジュアルだけでなく、キャラクター一覧ページやステータス値、ガチャなど多くの要素がちりばめられていますが、そのすべてをユーザー目線で考えて設計する仕事です。
下記ではゲームUIデザイナーに必要となるスキルや経験について解説します。

デッサン力、美的感覚

ゲームUIを考えるうえで、ユーザーの導線だけを意識してしまうと、淡白で機械的なUIになってしまう事があります。
先述した”ユーザー体験”を高めるためのデザインへの知見、流行りのゲームデザイントレンドをキャッチアップする姿勢は、ゲームデザインに携わる職種であれば必要となるスキルです。

ツールスキル(デザインツール、ゲームエンジン等)

2D、3D問わず、デザインツールに関するスキルがあれば、設計時やチームへの共有時に非常に便利になります。Live2D、Spine、illustrator等の2D系のツールや、3ds Max、Maya等の3Dモデリングツール、またUnity、Unreal Engineなどのゲームエンジンを使いこなせるようになることで、より良いUIデザインを自分で設計する事が可能です。

コミュニケーションスキル

ゲームUIデザイナーに限った話ではありませんが、コミュニケーションスキルがある事でチームでの仕事を円滑に進めることが出来ます。
特にUIデザイナーの場合は、プランナーやキャラクターデザイナー、プログラマーといった様々な職種のメンバーに対し、仕様確認を行ったり提案を行う事があります。また受託開発事業等を行う場合は、クライアントに対しなぜそのUIなのか?を根拠をもって説明する力が求められます。

ゲームUIデザイナーに向いている人

ゲームUIデザイナーに向いている人の特徴は、上記で説明した必要スキルを養う素養があるか?という点になります。下記に解説している要素が今は無いとしても、意識する事で十分身に着けることが出来ますので、是非参考にしてみて下さい。

ゲームデザインに興味がある

”好きこそ物の上手なれ”とはよく言われる言葉ですが、ゲームデザインが好き、興味があるという要素は、ゲームUIデザイナーにとってかなり重要です。
UIを設計するうえで、流行りのゲームデザインはどんな仕様か?自分が好きなゲームデザインはどういう導線になっているか?という視点を持っている事で、UI改善、提案時にも幅が広がります。
普段ゲームをするときも、なんとなくゲームを楽しむのではなく、デザインパターンをしっかりインプットしておくことで、UI設計の引き出しも多くなり仕事にも役立てることが出来ます。

細かい違和感や変化に気づきやすい

日常生活の中で、物事の変化や違和感を敏感に察知できる人も、ゲームUIデザイナ―に向いている人と言えます。
上段で説明した「ユーザー離れを防ぐ」ための施策はUI設計時にとても重要になりますが、開発側が気にしていなかったポイントでユーザーが離脱してしまうというケースもあります。ゲームをしながら使いにくいと直感的に感じた場合は、なぜ使いにくいと感じたのか
?を深堀していく事で、使いにくいUIのパターンをストックしておくことが出来ます。

ゲームUIデザイナーのキャリアパス

ゲームUIデザイナーは、デザインスキルやツールスキルと求められるスキルや経験が多い職種です。その分、ゲーム制作の幅広い工程に携わることが出来るため、ゲームプランナー、ゲームディレクター、ゲームプロデューサーなど、ゲーム制作全般をまとめる職種へキャリアアップする事も可能です。

 

またUIデザインのスキルがある事で、ゲーム業界のみではなくWeb業界での転職も可能になります。自身が目指す方向性を明確化し、キャリアアップに必要となるスキルを学んでいく事を心掛けましょう。

おすすめのサイト

ゲームUIまとめサイト(Interface in game)

Interface in gameは、様々なジャンルのゲームUIデザインを閲覧することが出来るサイトです。ジャンルはアクション/冒険FPS/アクション等15種類以上のジャンルから選ぶことが出来、アニメーションやドット絵といったテーマ別検索、プラットフォーム別検索、キャラクターやマップといった要素別検索を基に閲覧する事が可能です。
また著名なUIデザイナーのインタビュー記事も閲覧可能なため、知識習得にも役に立つサイトです。

UIデザイン素材サイト(UI-cloud)

UI-cloudは46,000を超えるUI要素や1,233のUIキットから、ゲームに限らず様々なプロダクトのUIデザイン素材を検索しダウンロードする事が可能です。(一部有料)
「Enter UI element keywords」と書かれた検索窓へ自分が欲しいUIのキーワードを入力することでも素材を検索することができ、Windows、CSS、PSD等の形式ごとに素材がカテゴライズされています。

まとめ

ここまでUIデザインの特徴や制作の流れ、役に立つサイトについて説明して来ました。より長くユーザーに遊んで貰うために必須となるUIデザインはゲーム業界でも重要な要素となっており、それを扱うUIデザイナーは需要も高い職種です。本記事をきっかけに、UIデザインの知識・スキル習得を通してゲーム制作に役立てて下さい。

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