メタバースとは?言葉の意味や知っておきたい基本的なことを解説!


 
「最近、メタバースという言葉を耳にすることが増えた」と感じている人は少なくないでしょう。インターネットやVR(仮想現実)と関連する言葉なので、特にゲームに関心がある人がこの言葉に触れる機会が増える傾向にあります。
 
今回は、「それでも何のことかはよくわからない」という人に向けて、このコラムでわかりやすく概要を解説します。ぜひ最後まで読んで、今後到来するメタバース社会に備えてください。
 

1. メタバースとは

そもそも「メタバース」とは何でしょう? 一言でこれに答えるなら、「仮想空間」という言葉が適切です。
 
とは言え、「メタバース」は明確に定義された言葉ではないので、使う人によって違いはあります。そのため、今後意味するものが変化していく可能性はありますが、2022年4月現在では、アバターを使用して入り込むことができるネット上の仮想空間と考えて良いでしょう。
 
2020年に、新型コロナウイルス感染拡大もあって大ブレイクした『あつまれ どうぶつの森』がわかりやすい例です。このゲームには「世界の広がり」があり、プレイヤーがログインしているかどうかに関わらず、その世界はネット上に用意されています。
 
『あつまれ どうぶつの森』の中ではできることは限られていますが、今後メタバースの世界が広がれば、仮想空間内で買い物すると、実際の物品が自宅に届くといったことができるでしょう。また、仮想空間内で仕事や学習をしたり、ミーティングをしたりするなど日常生活の場としても広がっていくと思われています。
 
なお、上記ではアバターを使って仮想空間で活動するというビジュアルを意識した観点で説明しましたが、現在広く利用されているSNSも、メタバースの一種であるという人もいます。
 
似た言葉として映画やアニメなどで「マルチバース」という言葉が使われますが、これは「多元宇宙」や「パラレルワールド」などを示す言葉で、SFやファンタジー的な架空世界です。響きは似ていても「メタバース」とは全く異なりますので、混同しないようにご注意ください。
 

2. メタバースとして認識されている既存サービス例

この項目では、既存のサービスの中でメタバースの一種と認識されているものを紹介します。なお、前述したようにメタバースの定義はまだ定かではないので、ここに記載するものはメタバースに含まないと考える人もいることはご理解ください。
 

2-1. マルチゲームプラットフォーム

マルチゲームプラットフォームとして知られるRobloxやThe Sandboxなどはメタバースのひとつとして認識されています。
 
RobloxはアメリカのRoblox社が提供するオンライン上のミニゲームプラットフォームで、2004年から存在していました。数千万本のゲームがプレイできるというプラットフォーム機能も人気の要因のひとつですが、アバターで利用者と交流できる点でも世界中で広がりを見せています。
 
基本無料なこともあって、2021年には月間のプレイ人口が2億人を超えたという報告もあり、今後もユーザーが増えるのは確実でしょう。
 
The Sandboxはイーサリアム(仮想通貨の一種)とブロックチェーンの技術を使って構成されています。LAND(ランド=メタバースの一種)という空間の購入が可能で、その中でゲームやキャラクターを製作することができます。完成した空間に遊びに行くだけではなく、空間自体を作り、その中で場所を貸したりゲームを提供したりしてSANDを稼ぐことができる特徴を持っています。
 

2-2. MMO

MMOとはMassively Multiplayer Onlineの略称で、日本語では、大規模複数同時参加のオンラインゲームを指します。
 
チームバトルを楽しんだりする点では従来のオンラインゲームと共通性がありますが、MMOの特徴は自由度の高さにあります。ボスキャラを倒すといったストーリーが用意されているタイトルも多いですが、ゲーム内の世界を散策したり、ほかのプレイヤーとチャットでコミュニケーションしたりと、選択肢が多い点がメタバース的とされているのです。
 
MMOの代表的タイトルとしては、スクウェア・エニックスの『ファイナルファンタジーXIV』やセガの『ファンタシースターオンライン2』などが挙げられます。
 
ただし、MMOはメタバースとの共通点はあるものの、違いも指摘されています。基本的にはMMOはゲームとして構築された世界なので、その世界で自由に活動できるとは言え、世界観や活動内容が固定されていること、ゲーム内の通貨があってもあくまでもそのゲームだけで利用できるもの、といった具合に制限が多いことがメタバースと異なるとされています。
 

2-3. SNS

2022年現在、多くの人が利用しているTwitterやLINEなどのSNSも、メタバースの1種とする考え方もあります。ゲームのようなビジュアルな空間はなくても、SNS内では匿名性を保ちながらアイコンで活動している人は多いですし、リアルとは異なる個性でふるまっている人もいるので、むしろアバターが無い分自由とも言えるでしょう。
 

3. メタバースが実際に活用されている例

メタバースの概念はゲーム関連だけでなく、すでに一般社会で利用されています。この項目では、ゲーム以外でメタバース的なものを利用している具体例を紹介しましょう。
 
「Horizon Workroom」はFacebookを運営しているMetaが提供するバーチャル会議システムです。Zoomなど画像を使ったオンライン会議はすでに浸透していますが、「Horizon Workroom」はVRゴーグルをつけることで同一空間にいる感覚でミーティングができます。
 
また、三井伊勢丹は「REV WORLDS」というアプリを使って、アバターでバーチャル空間内の伊勢丹新宿店を訪問し、店員と交流しながら買い物ができる取り組みをしています。ひとつの店舗に限定されたサービスではなく、「伊勢丹」という世界内を自由に移動できますし、アプリ内で家族や友人と待ち合わせて一緒に買い物ができる点などで評価されています。また、今後イベントなども用意されている様子なので、どのように展開していくか期待が集まっています。
 
さらに、2006年頃ブームになった「セカンドライフ」はメタバースの先駆的な例として知られています。まだスマートフォンが普及していなかったのでPCでアクセスする形態でしたが、ユーザーが作った仮想空間で旅行や買い物、他のユーザーとのコミュニケーションができることで一時期急速にユーザーが増えました。また、アプリケーション内の通貨を米ドルに変えることが可能だったので、セカンドライフ内の活動で利益を上げ生計を立てる人もいました。
 
とは言え、当時の通信速度ではストレスが多く、規制が間に合っていないことから仮想空間内でのトラブルもあったため、結果的には「瞬間的な流行」と記憶している人が多いでしょう。
 
今現在、「セカンドライフ」をどう評価するかはさておき、ネット上に緻密な空間を作り上げたという点で、メタバースの先駆的な存在であることは間違いありません。
 

4. 「メタバース」と「VR」の違い

メタバースとVRも混同されやすい言葉なので、ここで違いを解説します。
 
まず言葉の基本的な違いを説明すると、メタバースは「仮想の空間」を示す言葉ですが、VRは「バーチャルリアリティー=仮想現実」と説明されます。言葉だけだとますますややこしくなりますが、VRは空間ではなく、仮想空間に没入するための技術や手法につけられた名称です。
 
VRは、リアルの画像をもとにしたものでも、CGで作製したものでも、VRゴーグルをつけなければ立体として視覚認識できません。
 
メタバースにVRは絶対的に必要と定義づけられているわけではありませんが、メタバースとVRの関係を説明する際は、VRはメタバースの立体空間に没入するための技術と理解すればよいでしょう。
 
なお、VRは「仮想現実」と訳されますが、医師と患者が離れたところにいてもマニピュレータやセンサーを介して手術ができる、といったリアル空間に影響を及ぼす利用方法もあります。
 

5. メタバースは本当に普及する?今後の展望

メタバースはまだ完全に普及しているものではなく、今後どのように発展していくかも不透明な状態です。
 
仕事や買い物にとどまらず、日常のコミュニケーションも行う空間としてどんどん発展していくと考える人もいますが、VRゴーグルをつけたときの違和感がマイナス要因として、発展は続くとしても日常世界の代用になることはない、という意見もあります。
 
また、メタバース空間に依存してリアル空間に戻ってきたくなくなる人が出ることや、金銭的なやり取りの脆弱性など、健康面や社会性から危険を指摘する人も少なくありません。
 
その一方で、離れた場所にいる人とコミュニケーションする手段としてすでに定着しているSNSの延長的な位置づけを確保して、日常生活、ビジネス、社会福祉などあらゆる方面で需要を確保していく、という前向きな見解があるのも事実です。
 

5-1. ゲーム業界とメタバースの関係性

ゲーム業界は、すでにマルチゲームプラットフォームやMMOとしてメタバースの世界に馴染んでいますし、オープンワールドのゲームが着実に市民権を得ている点から相性が良いことも確実視されています。
 
このため、ゲーム業界で先行して構築された技術がメタバースコンテンツに生きる可能性は非常に高いと言えるでしょう。この点を踏まえて、ゲーム業界が他業種に先行しているノウハウを活かすことも視野に入れておくことをおすすめします。
 

6. まとめ

「メタバース」という言葉の意味や概念を説明し、実際の利用例や今後の展望を解説しました。メタバースが社会全体にどの程度普及するかは不透明ではありますが、ゲーム業界はもちろんのこと、今後さまざまな分野で利用されていくことは間違いありません。
 
また、ゲーム業界はほかの業界よりメタバースに近い存在である点も疑いない事実です。これらを踏まえて、ゲーム会社やクリエイターとして今現在保有している技術が、大きなビジネスチャンスを生む可能性を持っていることを頭に置きながら、今後の動きに着目していきましょう。
 

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