ゲーム会社の人事が聞く、業界で”長く”働ける人材を育てるアーツカレッジヨコハマのカリキュラムの秘訣!
実践的なカリキュラムで職業人を育てる専門学校、アーツカレッジヨコハマ。
ゲーム業界に必要なスキルを学び、就職を目指すゲームクリエイター学科には、プログラマーコースとCGデザイナーコースがあります。
今回はゲーム開発会社、株式会社リンクトブレインにて新卒採用も担当しているGAME CREATORS編集担当の高柳がインタビューを決行!
アーツカレッジヨコハマの教務部課長であり実際に授業も担当する伊藤淳氏に、学校の特徴やカリキュラムの内容、学校の目指す方向についてお話を伺い、ゲーム会社人事の目線でお伝えしていきます。
3年間で多くのゲームを制作するカリキュラム
――まずは学校の特徴について教えていただけますか。
「技術で未来を切り拓け。」というのが、弊校のコンセプトワードです。
専門学校は職業訓練校として就職のための学校という意味合いが一番強く、弊校ではゲームクリエイターとしてゲーム業界で働くために必要な知識・技術を3年間かけて教えています。
その上でゲームクリエイター学科のコンセプトは、表現力が高くかっこいいゲームを制作できる人。
そしてもうひとつは、ツールに関係なく業界で長く働ける基礎力を持った人です。
単純に流行りのツールを表面的に使えるのではなく、使っている技術が変わっても必要とされるような人材を理想としています。
プログラマーコースではC++の基礎から応用までをしっかりと教えつつ、CGデザイナーコースではゲームに必要な3Dのモデリングが綺麗に低ポリゴンで制作できることを軸にカリキュラムを組んでいます。
――ゲーム業界の流れが速いので、業界で長く働ける基礎力を学校で身に付けてもらえるとゲーム会社としては嬉しいですね。カリキュラムの詳細についてはいかがでしょうか。
1年生の最初の3ヶ月は、フィールドセレクトプログラムという期間を設けて、プログラマーコースでもCGデザインのことを勉強するし、CGデザイナーコースでもプログラムの勉強をします。
なぜかというと、専門学校に入学する前は「ゲームを作りたい」とは思っていても、自分自身がCGデザインとプログラムのどちらに向いているか、どちらがやりたいのかを理解できていない学生が多いからです。
ですから入学直後に両方を経験することで、自分がどちらに行きたいのかを把握してもらう期間を設けているのです。
1年生の夏までに3Dモデリングや簡単なゲームを1本作ります。その中でキャラクターやUIのデザイン、移動・スコアや当たり判定などを組み込んだプログラムを経験して、最終的にコースを選択します。
――実際にお試し期間でプログラマーコースからCGデザイナーコースに移ったり、またはその逆のパターンは結構あるのですか?
ありますね。
とても絵がうまいのに、それを動かすことの方が面白いと言ってCGデザイナーコースからプログラマーコースに変更する学生もいて、その場合は先生が驚いたりもします(笑)。
そういう学生は大体、プログラムもすぐ覚えてどんどんスキルが上がっていくことが多いです。
――2年制のゲーム制作専門学校などでは、2年目にコースを選択し直す学生もいますが、そうするとコース変わってすぐ就職活動なので企業へ提出できるポートフォリオがないという学生もいたりしますよね。
御校では3年制であるのと、1年生の1学期のうちにどちらも経験した上でコースを再選択できるので、就職活動の準備がしっかりできる安心感がありますね。
私たちも以前はコース選択を1年後に行っていたのですが、それでは期間が長いという結論になりました。
なぜなら、ひとつは嫌いなことをやっていても、その間は学生にとっては苦痛でしかないからです。
それを避けるために、自分のやりたい方向を早めに見極めてもらう。
もうひとつの理由は、ゲーム業界の新卒採用は職種別採用なので、専門的なスキルを尖って持っている学生の方が就職に有利だからです。
そういう人材になれるよう、学んで欲しいプログラム、CGデザインのことが山ほどありますが、その中でもゲーム制作に特に大事なスキルを教える授業を、学生に多く提供しようと努めています。
ゲームと言ってもジャンルやハードによって覚えなきゃいけない知識・技術は多岐にわたるので、「自分の武器を尖らせる」「自分の武器は何か」ということは、教員との面談や相談を通して、学生自身に意識してもらうよう指導しています。
――学生時代に自分の武器について意識できている学生は、なかなかいませんね。面談の頻度はどれくらいでしょうか。
定期的にクラス担任が面談を行っています。
弊校は少人数制で1クラス35名が定員、多い時でも40名以上は学生を受け入れないようにしているので、授業に関わる先生は学生の顔と名前を全員把握します。
学生の状況も教員全員で共有しているので、相談が必要そうな学生がいたら教員の方から声をかけるといったやり方をしています。
イメージは高校と一緒で、各学年に担任が一人ずついます。
両方のコースを合わせて1年生の担任、といった形です。
それとは別に、コースごとに非常勤の先生がいて、授業は専門的な知識を持った先生が行っています。
授業といっても講義だけといった形は少なく、講義をしたらそのあとは実習の時間にして、実習の間は先生がずっと教室内を回って個人ごとに教えています。
――学生ひとりひとりに手厚く指導されていらっしゃるのが伝わりますね。話が戻るのですが、1年生では主に自分の適性を図る期間にしているのでしょうか。
適性を図って、基礎を学ぶ期間です。
まずチーム制作に入るまでに自分ができることを完璧にします。
プログラマーコースを選択した学生は、プログラムの勉強をしながら1年生の学期末にはシューティングゲーム、3Dゲームの制作をします。
1年間で3Dゲーム開発に必要なマトリクスやベクトルの基本を押さえて、ゲームをひとつ作る経験ができるようになっています。
1年生は個人制作しかないぶん、たくさんゲームを作ることでスキルの基礎を徹底的に身に付けてもらおうというのが狙いになります。
CGデザイナーコースの1年生は、最初は簡単なCGデザイン、例えばスマホを作り、次に実習室を作ります。
実習室の制作では、備品であるデスクトップPCやスピーカー、マウスといったパーツを作って、次にそれをどう配置して教室にするのか、というのを学びます。
それができたら今度は曲線があるCGデザインの制作に取り組みます。
車などの実物を、触ったりして様々な方向から観察をして三面図に起こし、3DCGとして制作する。
最後にはキャラクターを制作する過程となり、自由に曲線を作れるようになります。
これで2年生に上がる前に、3Dの基礎を勉強することができます。
――1年間でこれだけしっかりものを作り続けていると、授業についていけない学生もいませんか。その場合どのようにフォローされているのでしょうか。
そういった学生もいます。
そのような学生に対しては、別の教材を用意することで勉強してもらおうというのが、僕らの考えです。
これをやればパズルゲームが作れる。
これをやればアクションゲームが作れる。
これをやればキャラクターモデリングができる。
このように、細分化した教材を利用しています。
授業内容についていけなくなったら、こちらの教材を使いながら修行のように繰り返し、わかるまでやる。
これはもう筋トレと同じで、反復しかないと思っています。
カリキュラムは進んでしまうけれど、いつでも戻れるようにしています。
――やる気があれば、いくらでも取り戻せるということですね。
長年、専門学校で教員をしていますが、学生の「やる気」がどこで入るのか予測できないんですよ。
最初からある程度の実力があった人も、そこから全然伸びないで卒業してしまうこともあるし、逆にいきなり伸びる生徒もいて。
その伸びる時期も期間もバラバラなので、計算ができない。
だから「やる気スイッチ」が入った学生が、自主的にひたすら実力を磨けるような環境を常に用意しています。
――カリキュラム以外にも自主的にスキルを磨ける環境は魅力的ですね。2年生からは、グループでのゲーム制作がメインになるのでしょうか。
前期後期にわけて、2年生で2本、3年生で2本、チームでゲームを作ります。
2年生の前半は、東京ゲームショウでの発表に向けて制作をします。
最初のチーム制作なので失敗もするだろうけど、まず自分たちで好きなものを作ってもらいます。
2年生後半からは就職活動のための作品として作るので、自分の表現したいことや、自己PRできるところは必ず入れるよう指導をします。
時期的には福岡のコンテストに向けての制作ですが、就職活動用の作品という面が強いです。
ここで制作した作品を武器に3年生の1学期頃まで就職活動をして、内定を得る学生が多いですね。
3年生の前半では再度東京ゲームショウ向け3度目のチーム制作を行います。
まだ就職活動中の学生は、この作品で秋採用を目指します。
最後、3年生の後期でのチーム制作は卒業研究という形になります。
――3年間あるからこそできるチーム制作の回数ですね。新卒採用を行うゲーム会社としては、しっかりとチーム制作の経験がある学生にぜひ来てほしいです。
学校によって方針はそれぞれで、決められたカリキュラムと授業をやるほうがきちんとスキルを身に付けられる、という考え方の学校もありますが、弊校では、オリジナルの作品を多く作ってもらいます。
しかも作るものは絶対に学生主体で制作してもらいます。
例えば先生が各授業のなかで、「いまはAIが注目されているよ」といったことは伝えることもありますが、最終的には学生のやりたいことに沿ってアドバイスをしていきます。
「そういったものを作りたいなら、これを入れると売りになるよ」、という形でうまく融合するんですね。
その際に、「先生、先生」と何度も相談に来るような学生が急激に上達し、大手企業に早く決まって行く傾向がありますね。
――素朴な疑問なのですが、御校には企画コースがないですよね。他のゲーム専門学校ですと、企画コースの学生がチームの取りまとめを行っていることが多いかと思いますが、どのようにされているのですか?
そこは先生がサポートしながらやっていますね。
学生には最初にゲームの目的、模範となるゲームが書かれた本当に簡単な概要書を作らせます。
それを「プログラムとして表現するならここまで考えて作らないと売りが感じられない」とか、「CGデザインでこれとこれを用意した方がいいよね」といったように学生が考えた企画をプログラム、CGデザインで表現するとしたらこれを作らなきゃいけないということを先生が伝えて、学生と試行錯誤しながら制作していきます。
今年の例で言うと、『ゴッドイーター』とか『SEKIRO』のような「ジャストガードして反撃するゲームを作りたい」という学生がいました。
それに対して先生がしたアドバイスが、「アニメーションにこだわらないとダメだ」というものです。
どこで攻撃が来て、どこでボタンを押せばジャストガードできるのか。
プログラムのフレーム数と、アニメーションを見て敵の攻撃を判断できる範囲をマッチさせて、作り込まないといけない。
だから、まずジャストガードのボタンを押す部分だけを何度も作っては検証させて、「これなら面白い」という部分が作れてからゲームの規模を大きくしてゲームの完成度を上げていきます。
このように、先生も学生のチームに入って、制作のまとめ役やコントロールを行っています。
――勉強だからといって、企画を書いてもらうと時間だけがかかってしまい、ゲーム制作の時間を圧迫してしまうこともありますしね。企画職がいない御校では、先生が取りまとめされた方が実践的かもしれません。
以前は私も「面白い=アイデアが素晴らしい」と勘違いしていました。
でも弊校はプランナーコースもないし、そこを追求するのは辛いものがありました。
ではどうするか、となった時にいまの方向に舵を切った経緯があります。
やり方を変えてからは、自己PRになる部分がぼやけたままゲーム制作をするのではなく、どこを自己PRとして押し出すのかを先生と話しながら作ることができます。
すると、ゲーム制作の過程で繰り返し考えたことや説明したことを、そのまま企業に伝えればいいので、企業側からしても「よくゲームのことを考えているな」と思ってもらいやすいのかなと考えています。
――効率的で効果的ですね!先生の負担はかなり大きそうですが…。
そうですね、でも楽しくやってますよ(笑)。
弊校はゲームに携わっている常勤は2名、非常勤が12名います。
教育熱心な先生が集まってくれて、大変ありがたいです。
業界就職率10%から68%へ
――伊藤さんご自身はどのようにして今のキャリアを築いたのでしょうか。
大学は電気工学を専攻しました。学校の友人は東芝や三菱などに就職したのですが、私はCMプランナーになりたくて(笑)、大学とのダブルスクールをしました。
はじめに、クリエイターが自分たちの事例を元に講義をしてくれる広告学校に半年間通いました。
その翌年、東北新社が運営している映像テクノアカデミアという学校に通ってから、広告会社に入社しました。
ですが総務人事に配属となり、やりたかったことができなかったんです。
同じ会社でプランナーに職種をチェンジするか悩んでいた時に、アーツカレッジヨコハマの教員募集を見つけました。
WEBデザインコースで、スキルがなくても学生と一緒に楽しんでものづくりしてくれる先生募集、ということだったので応募しました。
そこから最初の5年間程はPhotoshop、illustrator、HTMLを教えていました。
ただWEBデザインコースは高校生にイメージしづらかったようで、コース自体がなくなってしまって…。
その後は、ゲームコースの先生を手伝うことになりました。
プログラムの勉強を始めたのは、そこからです。
その先生が退職されてからは、私がゲームクリエイター学科の主任となり、カリキュラムを作成するようになって現在6年目になりました。
――キャリアチェンジのタイミングで印象的なことはありましたか。
私がゲームクリエイター学科の主任になったタイミングって、結果が出ていない時期だったんです。
生徒の10%がゲーム業界に就職できるかどうか、という大変な時期でした。
当然、そんな学校には優秀な学生が集まらないので、カリキュラムも難しいことはできない。
だから就職もいいところには入れないという、負のスパイラルにはまっていました。
そんな時、熱中日和というゲーム開発会社の花井社長と出会いました。
元ナムコで10年開発の経験があり、社長なってからもプログラマを続け、30年以上キャリアのある方です。
まだ、花井社長が本校の非常勤講師をしていない時に、熱中日和の採用選考の話を聞きました。
「学生はうちの会社に何度トライしてもいい。面接で落ちてもフィードバックを返すから、その課題を期間中に課解決できた学生は採用する」と言ってくださって。
この方は教育者なんだなと感じましたね。
実際、教育の経験があるというのも聞いていたので、私が主任になったタイミングで相談に行ったんです。
最初は、ゲーム制作のアドバイスを学生にしてもらうという立場で授業に入ってもらったのですが、そこで学生のプログラムやCGデザインの基礎力をつける授業が足りないことを見抜かれて(笑)
特別にプログラムの補講をしてもらったり、授業で教える教材を考えてもらったり、高度なプログラムの授業を担当してくれたり…。
学生にどう教えればゲームクリエイターのプロを育てられるか毎晩遅くまで熱心に一緒に考えてくれました。
私も花井社長の授業に参加して、プログラムを一から叩き込んでもらいました。
いまも花井社長は非常勤として授業をしてもらっています。
――そこまでキャリアのある方の授業に参加できるのはうらやましいです。花井社長の授業を受けるなかで、技術だけでなく授業のやり方も覚えたのでしょうか。
花井社長はプログラムを教えるのがうまいというだけではなく、学生を惹き付けるのがすごく上手で、だんだん学生のレベルが上がっていきました。
それと同時期に文部科学省の職業実践専門課程という認定を取りました。
これが学生にとってどんなメリットがあるかというと、学生の作ったゲームを企業の方に見せて、直接評価をもらえるんです。
今ではスクウェア・エニックスとか、関内にある六面堂、新横浜にあるヴァンガードなど、地元の会社中心に連携していただき実施しています。
お陰様でカリキュラムの内容も充実してきて、昨年度卒業した学生は、68%がゲーム業界に入ることができました。
入学者もそれまでは30名前後だったのが、現在は定員を超える募集があって、12月、1月くらいには募集を打ち切るような状態になりました。
企業が求める学生のニーズを学校がしっかりと把握する
――いろいろ試行錯誤してきて、いまの理想のかたちになったんだろうなという歴史を感じました。リンクトブレインにもプログラマの学生に応募してほしいのですが、アーツカレッジヨコハマの卒業生は人気みたいで、なかなか紹介がないんですよね(笑)。
就職課と相談をお願いします(笑)。
――就職課の綱島さんも親身に相談に乗ってくださって、企業としてありがたいです。
就職課は企業渉外を主にしていますが、最近は企業との打ち合わせにおいて私が出ることが多くなりました。
先ほども言ったように学生は十人十色なんですが、企業側も欲しい人材や、業務内容がそれぞれ違うんですね。
だから各企業が要求するものに合った学生を紹介できるようになりたい。
あとは、「この子はリンクトブレインさんに合うと思うので、試しに面接してもらえませんか?」と言える関係を作っていきたいですね。
――そういった提案をしていただけると採用担当としても事前に現場に伝えていい印象を持って面接してもらえるので、嬉しい試みです。
学生も器用ではないので、面接の指導なんかは悩むところですね。
――リンクトブレインのプログラマに聞いて来たのですが、最近は面接で「Unityを使えます」という人が多いみたいです。深く聞いてみると、パーツを集めて貼り付けただけで、その奥がどうなっているのか、考えてもいないし、理解していない。そうではなく、プログラムがどう動いているのか、どう考えて作ったのか、基本のところをせっかく専門学校にいるのだから学んで欲しい、と言っていました。
これは私たちの弱みでもあるのですが、UnityとかUnreal Engineをしっかり教えていないんです。
なぜかというと、それを教えてしまうと学生は簡単にゲームが作れることに気を取られて、本質の部分を面白がってくれなくなるからです。
確かにUnityとかUnreal Engineは華やかなゲームが作れて、コンテスト向きなんですね。
だから弊校はコンテストに弱いのですが、コンテストで大賞を取ったゲームのソースを見てみると、とても使い物にならないと企業の方が言っていたのを耳にしたことがあります。
それよりも職業人を育成するならDirectXで作って、より本質に近いところの知識を基礎として学ぼうという考えで教えています。
――話を聞いたプログラマは経理に例えて「エクセルを使えて経理の知識がない人」ではなく「経理の知識がある人」で、エクセルを使えるかどうかはそんな関係ない。と言っていました。なので、弊社の場合ではあるのですが、プログラムの上手より基礎の知識なり考え方を見ているのかなと思います。
もちろんUnityを使う学生もいるのですが、「これはエンジンのひとつで、それだけを触っているだけでは会社は採用してくれないよ」という話は、入学時から言っています。
――そういう風に考えている学校は実は少なくて、Unityを使って表面だけ繕う、みたいな学校が多い気がします。すると一部の子だけが面白がって深くやって、すごい格差ができる。だけど御校のように基礎がしっかりしていると、どこでもやっていける人材が多く育つだろうなと思います。インターンシップもやっているので、ぜひうちに来て下さい(笑)。
実際、インターンは学校にとってもありがたいです。
弊校は少人数なので、学生の向き不向きが全部わかってしまうのですよ。
この学生は実力はあるんだけど、働く環境に左右されてしまうだろうなって学生がいます。
でもそういう学生がインターンに行くと、企業からとても感謝されることがある。
「まさにこういう学生が欲しかった」と評価をいただき、こちらはびっくりしますよね。
企業ごとの尺度や欲しい人材はまったく違うので、完全にはわからない部分があります。
だからインターンで実際に会社にマッチするか見てもらうのは、大変ありがたいことです。
私としてもお試し期間として、気軽に「やはりうちには合いませんでした」といった意見をどんどん言ってもらえる関係になるといいなと思っています。
――インターンのいいところは実際の働く環境を経験できることです。学生には積極的に利用してほしいですね。
会社に行って学生が学べると、私たちはまったく手間がかからないので助かります(笑)。
学生にとっても利益になる、さらに企業側にもいい子に入ってもらえたと思ってもらえれば、WIN-WINで本当にいい関係になると思います。
弊校の校長は、しっかりとした目的や考えを持っていればなんでもやりたいことやっていいよと、現場に任せてくれます。
私も就職課を飛び越えて企業に行ったり、別の専門学校に行ったりしています。
先日も福岡の専門学校に行って、授業の資料を見せていただきました。
もし先方から依頼があれば、弊校のカリキュラムなどもなんでも共有できればと思っています。
一番は学生にいい学びを提供して、彼らが業界で活躍し、業界が発展することが一番だと考えています。
――素晴らしいお考えですね。弊社も業界全体に貢献したいと考えているので、是非協力できればと思います。他にお伝えしたい学校の特徴はありますか。
弊校では学生の順位を貼り出しているんです。
作ったゲームを企業の方に採点していただき、学生同士が試遊した評価、また、プログラム自体の点数を出して、結果をクラスに掲示しています。
これは先にもお話した通り、弊校は職業実践専門課程の認定校なので、きちんと「評価して学生にそれを提示する」ということを実施しているのですが、最初は私達もすごく迷いがありました。
いまの学生は高校まで、競い合うことを避ける教育を受けています。
だから成績を貼り出された段階で多くの学生がやる気をなくしてしまうのではないかと心配していました。
でも実際やってみたら、意外にプラスに作用することが多かったですね。
マイナスもなくはないんですが、上にいる人も次に抜かされないようにしっかり勉強しているし、下にいる人にも反骨精神が生まれたんです。
――すごいチャレンジですね。なかなか学生の反応が怖くて取り組めないことにも、積極的に取り組んでいらっしゃって、労力を惜しまないことに感激しました。
最後に、これからゲーム業界を目指す学生にメッセージをお願いします。
私が今回のインタビューでこだわったところは、まずリンクトブレインさんに弊校のゲームクリエイター学科のカリキュラムは「いいね」と言ってもらうことでした。
それがゲーム業界に広まって多くの方から「アーツカレッジヨコハマいいね」と言われると自信になります。
「ここが足りない」とご指摘いただければ、さらに良いものにできるので嬉しいです。
弊校にはゲームが好きな人が来ているのは間違いないです。
さらにそこから踏み込んで、ゲームで感動したとか、ゲームに助けられたとか、だがらゲームを作りたいんだ!!そういう思いを持っている人が来てくれると嬉しいです。
自分がゲームからもらったものを、今度は自分が作り手になって届けていきたい。
そういう学生は伸びるのが早いし、そういう学生と一緒にゲームを作る体験ができたら私も幸せです。
――ありがとうございました。このような学校の考え方やカリキュラムがあって業界で活躍できる人材を育成しているのはとても良いですね。
アーツカレッジヨコハマに興味がある方はこちらから
【URL】https://www.kccollege.ac.jp/
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