-『DIVA』Towards a new stage- ハイクオリティな3DCG制作を手掛ける株式会社D・A・Gから、新たな制作ブランドが発足!その特徴と今後の展望について、新設スタジオに潜入取材してきました!
ゲーム、アニメ、映画など様々な映像コンテンツを手掛ける株式会社D・A・G。
2021年4月には、次世代に向けたハイクオリティなデジタルコンテンツを制作する新ブランド『DIVA』が始動。また日本屈指の収録設備を備えたデジタル・アートスタジオ『DIVA: Digital Art Studio Roppongi』の新設を発表しました。
今回はそんな株式会社D・A・Gにて『DIVA』と『DIVA: Digital Art Studio Roppongi』の運営に携わる二本松様、小宮様にD・A・Gの事業内容やブランドコンセプト、スタジオの特徴や今後の展望について聞いてみました!
〇左:小宮様 右:二本松様
――まずは二本松様のご経歴について教えてください。
二本松
株式会社D・A・G取締役COO兼デジタルスタジオ事業部部長の二本松です。
昔から映像系のコンテンツが好きだった事も影響して、もっとCG技術を高めていきたいと思い2004年にD・A・Gに入社しました。D・A・Gとしては初の試みである制作進行からスタートし、その後プロデューサーを兼任したのち、2013年から役員として経営面に携わっています。
去年の7月から『DIVA: Digital Art Studio Roppongi』のプロジェクトに携わっており、このスタジオに必要な機能、設備、人材管理の責任者を担当しています。
――次に、小宮様のご経歴について教えてください
小宮
ブランド・広報室室長兼クリエイティブ室プロデューサーの小宮です。
D・A・Gに入社する前はゲーム会社や国内のCGプロダクションにて経験を積み、16年間在籍していたSIEでは、内製タイトルの開発に携わっていました。ホラーゲーム「SIREN」シリーズでは背景のリードアーティストを務め、その後ライティング※専任のアーティストを経験したのちに、課長職としてマネジメント業務を担当しました。PS2からPS5までのタイトル制作に携わり、2020年10月にD・A・Gに入社しました。
※ライティング:3DCG制作における工程の1つで、光や照明の設定のこと
代表の酒井や役員の方々と話す中で、事業内容や今後のビジョンについて強く興味をひかれました。新しい事にチャレンジが出来る環境だと確信がありましたし、様々な視点で広い世界を見たいという思いから、D・A・Gへの入社を決めました。
目次
3DCG制作のプロフェッショナル -株式会社D・A・G-
――株式会社 D・A・Gの事業内容について教えてください。
小宮
株式会社D・A・Gの主な事業は3つあります。
1つ目は、主に3DCGを使ったコンテンツの制作業務です。家庭用テレビゲームから、CM、劇場映画の制作まで幅広く行っており、創業以来20年近く行っているメイン事業です。
2つ目が、ゲーム開発事業です。これは部分的な開発のみならず、ゲームにおけるプランニング、エンジニアリングを含めた企画開発を全て請け負っています。
まだ規模としては大きくなく、全体の1割くらいの人員構成でやっていますが、今後会社としても拡張していきたい事業の1つです。
そして3つ目が、今回取り上げていただいたデジタルコンテンツ制作ブランド『DIVA』です。デジタルスタジオ事業とも呼んでいますが、『DIVA: Digital Art Studio Roppongi(以下、スタジオDIVA)』のモーションキャプチャ、バーチャルプロダクションの設備を活用してコンテンツを制作する事業となっています。
スタジオDIVA自体は、”デジタルコンテンツ制作ブランド”としての活動を今後行っていくための土壌という位置づけになっています。高品質、高機能なスタジオで、高いクオリティの映像を制作できる株式会社D・A・Gを広く認知させることで、多くの企業や団体とコラボレーションしていきたいと考えています。
――メイン事業である3DCG制作について、競合他社と比べた際の強みはどのような部分ですか?
小宮
案件に対して大きなスケール感で対応でき、フレキシブルに動ける点と、それを可能にするスタッフが多数在籍していることが一番の強みになります。
スケール感については、自社内でデザイナーが150人ほど在籍しており、国内で見ても大きな規模感で制作チームを編成出来ています。在籍しているデザイナーそれぞれに強みがあり、専門的に対応できるスタッフ、広く汎用的に対応できるスタッフをしっかり振り分ける事で、プロジェクトごとに最適なチームを作って対応することが可能です。人数が多く機動力が高いということが先述の強みに繋がっています。
――ゲーム開発事業における強みについてはどのような点がありますか?
二本松
ゲーム開発の領域で対応出来ない仕事が無いという点ですね。ハイエンドからローエンドまで幅広くCG制作を行っており、ゲームの企画や開発の部分等、領域は問わず対応することが出来ます。
また、福岡に開発部署があり、そのスタジオでゲーム開発を行っています。発足して4年ほど経ちますが、日本国内で様々なタイトルを手掛けたメンバーが集った部署になっており、高いクオリティでゲーム開発が出来ています。
次世代に向けたハイクオリティなデジタルコンテンツを制作する新ブランド『DIVA』について
――まずはデジタルコンテンツ制作ブランド”DIVA”発足の背景について教えてください。
小宮
最新技術を駆使した映像表現を追求し、”コンテンツが切り開く「未来」”を探求し続けるため『DIVA』が始動しました。コンテンツが切り開く「未来」とは、まだ見ぬコンテンツに触れた方々の新しい感動体験と、それらが繋がった未来を指しています。
二本松
株式会社D・A・Gは、元々CGや映像制作が好きで立ち上げた会社です。
ただここ数年でゲーム開発を多く手掛けていることもあり、本来得意とする映像制作会社というより、“D・A・G=ゲーム会社”と 世の中に周知されていくのは、1つの懸念として持っていました。
ゲーム開発だけでなく、本来のCG制作事業を、そしてCGプロダクションである以上は自分たちの映像ブランドを立ち上げたいという話は以前から出ており、それが具体的になってきたのが3年前くらいですね。
当時、自社でモーションキャプチャを撮影する機会があったのですが、どうせやるなら自分達のスタジオを作ってブランド化しようという運びになり、今回の『DIVA』発足のきっかけになりました。
――次に『DIVA』のブランドコンセプトについて教えてください。
小宮
先述した、”コンテンツが切り開く「未来」”について、絶えず探求していく事がコンセプトになっています。
受け手の心を動かせる様な、『DIVA』が作る映像で見た人を笑顔にする事を実現していきたいです。そのためには今以上に高いクオリティを出す必要がありますね。
――クオリティというと具体的にどのような部分でしょうか?
小宮
一言でいうと、”臨場感を出せるかどうか”という部分です。
例えば公式サイトで映像を公開しているバーチャルヒューマンでは、人体の造形や服装といった外見の部分が精巧であるだけでは足りず、人間の内面すなわち心の部分からくる人間らしさをしっかり表現する必要があります。そのためには、キャラクターに心を宿すといった部分を意識していく事が大切になります。
〇『DIVA』公式HP内に登場するバーチャルヒューマン
人間の事は、人間が一番よくわかっているので、極僅かでも違和感を与えないよう細部まで調整する必要があり、取り組む対象としては最高難度のものになります。
難しい取り組みだからこそ、今回のキーワードでもある“挑戦”の部分を強く意識していくようにしています。
――株式会社D・A・Gのクリエイティブ室/スタジオDIVA/デザインチーム D・A・Gの相乗効果をどのような形で表現していきたいですか?
小宮
D・A・Gのクリエイティブ室は、2021年4月に新設されたチームになります。アートディレクター、映像ディレクター、サウンドディレクターといったディレクター職の経験が豊富なスタッフが多く在籍しています。スタジオDIVAを含む会社全体としては、それぞれのチームが成し遂げたい事をしっかりとぶつけ合っていく事が重要だと考えています。
”なんとなくこんな感じでOK”というクオリティのものは絶対に作らない。妥協しない映像制作を続けるための機材や環境、そして優秀なメンバーは揃っているので、上手く融合していきながら新しい未来に挑戦していきたいと思います。
――『DIVA』のキーワードとして“挑戦”という言葉を選んだ理由について教えてください。
小宮
挑戦という言葉は、常に未来とリンクしている言葉だと思っています。“予測できない未来”を楽しみながらも、自分たちで切り開いていきたいという思いで、キーワードを挑戦としています。
『DIVA』としても現状に満足せず、さまざまなコンテンツ制作に挑戦していきたいですね。
――今後『DIVA』にて、どのようなデジタルコンテンツを制作していきたいですか?
小宮
“『DIVA』に注目していれば面白いものを見られる!”と期待されるブランドにしていきたいです。
作品としては、ハイクオリティかつ意外性のあるものを作っていきたいと思っています。そして何よりも、我々作り手が楽しむことが重要ですので、誰かのOKを貰ってやる仕事ではなく、一人一人が能動的に、沢山の化学反応が起きる中で、既存の枠を壊して挑戦していきたいと思っています。
デジタル・アートスタジオ『DIVA: Digital Art Studio Roppongi』について
――スタジオDIVA新設の背景について教えてください。
二本松
今まで他のスタジオを使ってきた中で感じた、広さや設備面での不足点を最大限取り除いてモーションキャプチャスタジオを作ったのが、スタジオDIVAを新設した背景になります。
スタジオDIVAは、総面積220坪の圧倒的スケールと最新の撮影設備が整っており、施設内に大きく分けて二つあるスタジオのうちの一つ、モーションキャプチャスタジオにはVICON Vantage V16シリーズという最高機能のカメラを計88台揃えています。
先述の通り、CG制作会社として自社のモーションキャプチャスタジオを持つことは検討として挙がっていました。以前、大量のモーションを収録する案件があったのですが、関係者やスタジオのスケジュール調整、条件面の調整に多くの時間を取られ、自分たちのペースで制作が出来ないもどかしさや限界を感じました。
この案件がきっかけとなり、自分達が心から満足のいくコンテンツを制作できるスタジオを作ろうと決心し、最高の環境でモーションキャプチャ設備を導入する事を決めました。
――モーションキャプチャスタジオと併せてバーチャルプロダクションも新設した経緯について教えてください。
二本松
フルCGやモーションキャプチャだけでなく、映像系のコンテンツを作る際にどのような設備があれば、よりクオリティの高い作品が作れるかと考えた時に、バーチャルプロダクションも必要だと考え、隣接して設置する事にしました。
バーチャルプロダクションでは、リアルタイム合成システム“Zero Density『Reality』”を導入した最新設備になっています。
どういう使い方をしてどんなコンテンツを作るか、という予定がすべて決まり切っているわけではありませんが、それぞれのスタジオ単体の使用だけでなく、2つの機能を合わせる事も含め、様々な企画を考えています。
――モーションキャプチャスタジオの特徴及び機能について教えてください
二本松
広さは幅11m×奥行15m×高さ4mと、国内のモーションキャプチャスタジオの中では最大級の広さになっています。
また、VICON Vantage V16を88台設置しており、上からだけでなく下からもモーションを捉えている為、細かい指の動きまで撮る事が可能で、現時点での最大同時収録人数の実績は手指含めて16人です。
サーバー、カメラ、プレビューシステムに至るまで最新のものを用意しているので、この人数、この広さ、このクオリティでモーションキャプチャを撮れるスタジオは、日本ではここだけです。
特殊設備であるワイヤーアクション用の天吊りの鉄骨は、空中姿勢や吹き飛ぶ時の動きも自在に撮れる様に、ワイヤースタント専属の方に監修いただき、1トン以上の荷重にも耐えることが出来ます。
1つのカメラの画素数についても1600万画素になっているので、より高い解像度で撮影することが出来ます。撮影後のアニメーション工数の削減にも繋がりますが、高い品質で撮影することが出来るので、演技そのものの臨場感を逃さず撮影することができます。
――バーチャルプロダクションスタジオの特徴及び機能について教えてください
二本松
そもそものバーチャルプロダクションの機能は、あたかもその場にいる様なロケーションで映像を作り出せる合成システムを指します。分かりやすい例では、ニュースのお天気コーナーによく使われていて、緑の背景を二次的にキャンセルしながら映し出している技法です。
ただスタジオDIVAのバーチャルプロダクションシステムの特徴は、カメラの情報も全てリアルタイムで同期しながら合成し、撮影できるという点です。
緑の背景をキャンセルするシステムとカメラの動きが連動しており、臨場感のある撮影が可能になっています。Zoom等オンラインツールによる収録の視聴や、遠隔ディレクションが可能になっているので、今後さまざまな用途での使用が見込まれています。
――スタジオDIVA全体の設計コンセプトについて教えてください
二本松
コンセプトとしては、”「感性」や「情熱」を刺激するクリエイティブな空間”という点を意識しています。
D・A・Gは昔から働く環境に対してクリエイティブな空間を設ける事を意識しています。東京本社や福岡にある天神ベースキャンプもそうですが、働く人たちの感性を刺激するために、内装も非常にこだわっており、スタジオDIVAのエントランスについても映画館の様な仕様になっています。
クリエイティブの世界にいる以上、作り手である我々も、そしてスタジオで撮影する際の演者さんたちも常に刺激を受けて働ける様な設計を心がけています。
〇株式会社D・A・G 天神ベースキャンプ
今後について
――今後のご展望について教えてください。
小宮
『DIVA』においては、才能×才能、思い×思いといった様々なテーマで、社内社外問わずコラボレーションを促進したいです。
社内でいうと、これから『DIVA』がより成長していくためにも、採用活動については非常に力を入れていますので、コラボレーションの起点となりたい方々には、是非ご参加いただきたいです。
また、社外でいうと、クリエイターや他業種の方々とコラボレーションしていく際、スタジオDIVAを存分に使い倒して頂きたいです。六本木ヒルズ内というアクセスの良さや充実した設備があるので、一緒にワクワク出来る様な取り組みを行っていきたいと思っています。
――D・A・Gに興味を持っている読者の皆様に一言お願いします!
小宮
まだ見ぬ未来を一緒に作りたいという思いがある方はぜひD・A・Gにジョインしてください!僕自身も、予測できない未来、コンテンツの可能性という部分に熱くなれる人間であり続けたいと思っているので、一緒に面白い未来を描ける方がいれば、年齢問わず是非ご連絡をいただきたいですね。
二本松
今の時代、楽しい映像や最新の映像がすぐにユーザーの目に飛び込んでくる時代になっているので、それらの映像のより多くがD・A・Gの制作したものである様に今後も動いていきたいです。
様々なコンテンツを制作していくための環境がD・A・Gには揃っているので、一緒に楽しみながら働ける方は是非声をかけてくれれば嬉しいです。
――ありがとうございました!
■『DIVA』ブランドサイトURL:http://www.dag-inc.com/brand/diva/
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