
「日本のゲーム」の特徴とは?海外のゲームとはどういった点で違うのかを解説
このコラムは、「日本のゲーム」の特徴を理解するために、海外のゲームと比較して、好まれるジャンルやストーリー性などの違いを解説します。
日本と海外のゲーム文化や構造の違いを知ることは、これからゲーム会社で活躍していくためには欠かせないことですから、ぜひこのコラムを最後まで読んで参考にしてください。
目次
1. 日本のゲームの特徴とは?海外タイトルとの違いをそれぞれの点で比較
この項目では、まず要素別に日本のゲームと海外のゲームの違いを解説します。
1-1. 人気ジャンル
Newzooというゲーム関連の調査会社が2020年に発表したデータでは、アメリカ、イギリス、日本、韓国の4か国で、多くプレイされているモバイルゲームのジャンルが明確になっています。
各国ともに1位はパズルゲームですが、日本では2位がRPG、3位シミュレーション、4位バトルロワイヤル、5位アドベンチャーという順序でした。
ところがほかの3か国ではRPGは5位内に入っていませんし、シミュレーション、バトルロワイヤル、アドベンチャーのすべてが英米では5位内に見当たりません。
米国はパズルに次いでストラテジー、カジノ、シューター、アーケード、英国では2位以降がアーケード、スポーツ、シューター、ストラテジーという結果です。
この結果を見ると日本と欧米では、ジャンルに対する好みが大きく異なることがわかります。
1-2. ストーリー内容
前の項目のジャンルの違いで明確ですが、日本ではRPGやアドベンチャーなど長時間プレイしてストーリーを楽しむタイトルが人気です。これらの中にはキャラクターの個性やストーリーに絡む背景が描かれるので、感情に訴える内容が多いとも言えます。
一方、英米では複雑なストーリーを楽しむより、シューターやスポーツ、カジノなど結果が見えやすいものを好む傾向が顕著です。上記のジャンルでは、ゲーム内でキャラクターの感情が描かれることはほとんどありません。
1-3. キャラクターの造形・色彩
欧米では比較的リアルな造形のキャラクターが多いですが、日本ではデフォルメされたキャラクターが多い傾向が見られます。特に女性キャラクターの造形で、いわゆる「萌え」系の目が大きく童顔なのに胸が大きい造形は、海外ではこの点を受け入れがたいと思う人もいるようです。
その一方、日本のゲームに対する色彩の美しさは各国で高い評価を得ています。
1-4. ゲームバランス
日本のゲームは平均すると難易度が低く、時間がかかるとはいえ、プレイを続けていれば多くはクリアできるようにデザインされています。一方、アメリカでは簡単にクリアできないようにゲームバランスが設定されていることが多いと言われています。
この違いはターゲットの設定を踏まえたもので、日本では年齢性別によらず同じタイトルをプレイすることが多いですが、アメリカではゲーム好きの青年がターゲットにしたゲームが多いので、難易度を高めに設定したほうが評価されやすいのです。
1-5. プレイヤーに与えられる自由度と目標
日本人が好むRPGと欧米人が好むシューターは、どちらもバトル要素を持つことが多いですが、戦う目的や対象は大きく異なります。
欧米では軍隊の一員として無条件に敵を倒し勝利するタイトル多いですが、日本のゲームでは単純な戦争を扱うものはあまりリリースされません。戦う相手がモンスターであれば、「戦って勝つ」という目的だけでなく、戦う動機を問いかけたり、戦った相手が味方になったりと、パターンが固定されていません。
その一方で、日本のゲームはストーリー性が重視されるため、順を追ってプレイしていくスタイルを重視しています。日本でも選択によって結果が異なるゲームもありますが、多くは一本道で進んでいくので、その点では自由度は低いと言えます。
2. ネットの普及により「日本と海外の違い」はなくなってきている?
前の項目では、日本と海外のゲームの違いをピックアップしました。しかし、近年は上記の内容に変化が見え始めています。
その理由として、Steamなどの配信プラットフォームが発達したことで各国ごとに存在した垣根が低くなり始めていることや、コンシューマー機の対応力が上がったことで各国が自国のみでなく世界に向けて発信することが増えているからです。
このため、「日本のゲーム」「海外のゲーム」という境界は確実に薄れてきていると言えるでしょう。
3. 「日本のゲームは世界一」は過去のもの?
1980年代から90年代にかけて、日本は家庭用ゲーム機とゲームソフトの両面で世界を席巻しました。また、最近でも『ポケットモンスター』シリーズ、『バイオハザード』シリーズ、『ELDEN RING』など世界で高く評価される日本のシリーズやタイトルは一定数存在します。
このため、「日本のゲームは世界に受け入れられる」というイメージを持つ人も少なくありません。しかし、日本のタイトルなら何でも受け入れられるという認識は適切とは言えません。
以下では、日本のゲームがこれまで世界に受け入れられてきた理由と、市場規模で見る現在の日本ゲーム業界の立ち位置を解説します。
なお、日本のゲーム業界が衰退しているのかどうかを解説したコラムもご紹介しますので、あわせてご一読ください。
→「日本のゲーム業界は衰退している?その原因と将来性を最新トレンドを踏まえて解説!」
3-1. なぜ日本のゲーム文化は世界に受け入れられたのか
1980年代から90年代にかけては、家庭用ゲーム機とソフトウェアの両面で日本は世界をリードしていましたが、その後各地でゲームが開発されるようになり、日本一強の時代は終わりました。
しかしそれでもなお、日本発で世界的に高く評価されるタイトルも一定数見られます。日本で開発されて世界で人気を得ているタイトルである『FINAL FANTASY』シリーズ、『ゼルダの伝説』シリーズ、『ペルソナ』シリーズなどはストーリーの深さやキャラクターの魅力、感情に訴えかける演出などが評価されています。
特にキャラクター性については、日本特有のマンガやアニメで培われたキャラクター表現が世界に認められています。
また、『メタルギア』シリーズや『DEATH STRANDING』シリーズで有名な小島 秀夫氏や『ダークソウル』『ELDEN RING』の宮崎 英高氏のように、クリエイターの個性やこだわりが評価されている側面もあります。
さらに、『8番出口』のようなインディーゲームの台頭も無視できません。不穏な雰囲気を特徴とするゲームは世界各地にありますが、日本のホラー映画は海外とは異なるテイストを持っているので、海外から見ると文化的な独自性があると考えられます。
また、ゲーム業界を牽引する存在として任天堂の存在もあります。家庭用ゲーム機とソフトウェアの両面でゲーム業界に大きく貢献してきたソニーも日本最大級のゲーム会社ですが、同社のPlayStation5は海外と協力して開発したこともあり、ゲームの傾向から見ても日本の独自性は強いとは言えません。一方任天堂は、ゲーム機とソフトウェアの両面で独自性を保っており、日本のブランドとして世界での知名度を確立しています。
3-2. 市場規模で見る、日本のゲームの世界での立ち位置
インドの市場調査会社であるFortune Business Insightsの「ゲーム市場規模、業界シェア及び業界分析:ゲームタイプ別(シューティング、アクション、スポーツ、ロールプレイング、その他)、デバイスタイプ別(PC/MMO、タブレット、携帯電話、テレビ/コンソール)、エンドユーザー別(男性、女性)、地域別予測(2026-2034年)」という報告によれば、2025年の世界のゲーム市場規模は3,604億3,000万米ドル(2026年4月19日のレートで1ドル158.64円として約57兆1,804億円)とされています。
一方、世界的市場調査・コンサルティング会社であるレポートオーシャンの報告によれば、2025年の日本のゲーム市場は271.1億米ドル(2026年4月19日のレートで1ドル158.64円として約4.3兆円)でした。これは世界市場の約7.5%に当たる数値です。
全体の1割にも満たないので、「日本のゲームが世界一」といった言説は完全に過去のものであることがわかります。
ただし、2024年の全世界名目GDPは約111兆ドル、日本は約4兆ドルなので、GDPでは約3.6%しかない日本が約7.5%のゲーム市場を持っているのは十分な健闘と言えるでしょう。
4. 売れるゲームは「こだわり」と「良いところ取り」のバランスが大切
日本発で世界に売れるゲームを開発するには、日本ならではのこだわりや強みと、海外のゲームの普遍性をバランスよく取り入れることが重要です。
当コラムの「なぜ日本のゲーム文化は世界に受け入れられたのか」で解説したように、日本のゲームにはストーリー性やキャラクター性で感情を揺さぶる特徴があります。また、ジャパニーズホラーのようなゲームだけでなく映画、マンガ、小説、アニメなどで築いてきた独自性もオンリーワンのタイトル開発に寄与する可能性があります。
しかしその一方で、日本でしかヒットしないアニメやマンガもありますから、世界市場を狙うのであればそれらを取り入れるのは適切とは言えません。たとえば日本のゲーム、アニメ、マンガなどでは成人していないキャラクターを性的に描写することが多いですが、この点は海外では忌避されます。そのため、このテーマで世界を視野に入れた作品を作るという考えはおすすめできません。
上記はほんの一例ですが、海外を視野に入れたゲームを開発するのであれば、日本ならではの文化を重視しつつも、海外文化も視野に入れるよう心がけましょう。
5. まとめ
日本のゲームと海外のゲームの特徴や違いを整理しました。日本ではストーリー性を重視したRPGが根強い人気を持つことに対して、欧米ではキャラクターの感情はあまり扱われない傾向が強い、という結果が出ています。
とはいえ、近年はあらゆるものがグローバル化の影響を受けているため、ゲーム会社で働く人も国内の目線だけにこだわり、過去の傾向を踏襲し続けるだけでは生き残れなくなっています。
ぜひこの機会に、海外のゲームと日本のゲームの違いや現在の傾向を理解して、グローバル化の波に打ち勝つ布石としてください。
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