
「エンジョイ勢」とは?ゲームでの意味やガチ勢との違い、開発側の考え方
ゲームをプレイする中で「エンジョイ勢」という言葉を聞くことがあると思います。基本的にはゲームに真剣に取り組む「ガチ勢」と対比する言葉であり、自分のプレイスタイルを指して使う人が少なくありません。しかし、本人の自覚とは別に他者を「エンジョイ勢」と断定する人もいます。
エンジョイ勢という言葉は、人に使う場合揶揄する意味合いを持つことがあるので注意が必要です。そこでこのコラムでは、「エンジョイ勢」という言葉の意味や使われ方、「ガチ勢」との違いなどを解説します。
またゲーム開発者に向けて、様々なプレイヤー層に配慮するための開発の方向性にも言及していますので、ぜひ参考にしてください。
目次
1. 「エンジョイ勢」の基本的な意味
「エンジョイ勢」とは、ゲームにおいて勝敗や効率を最優先にするのではなく、自分なりの楽しみ方を重視するプレイヤー層を指す言葉です。
プレイ時間やスキルの高さとは必ずしも一致せず、あくまで「楽しむ姿勢」が基準となる点が特徴です。エンジョイ勢を自称する人たちはゲームを競技としてとらえず、娯楽として参加している傾向が見られます。
一方、この言葉は揶揄的に使われることがあります。たとえば、ゲームに対する真剣度が高く、勝利や効率を重視する人(ガチ勢)の中には、「なぜルールを把握していないんだ?」「勝ち負けにこだわらないプレイヤーは邪魔」と思う人もいるからです。
ただし、当コラムでは、「エンジョイ勢」、「ガチ勢」という言葉に定量的な定義はないことを明記しておきます。たとえば、毎日数時間特定タイトルをプレイし、それなりにランキングに入っていても、自分を「ガチ勢」と認識しない人はいます。
また、Pay to Winの傾向が強いゲームであれば、ルールやテクニックをさほど追求していなくても、重課金で勝ち続ける人はいるかもしれません。この人は無課金で勝率も低い人から見ると「ガチ勢」と言われるかもしれませんが、ルールの把握やテクニックの習得で上位にランクインしている人から見れば「ガチ勢」とは見えないでしょう。
このように、「エンジョイ勢」、「ガチ勢」の境界は曖昧であり、見方や考え方によって変わり得るものであることはご理解ください。
1-1. エンジョイ勢の語感とニュアンス
エンジョイ勢という言葉は本来、「楽しみを重視する人」というポジティブな意味を持っています。しかしこの言葉は、他者に対して使うときには皮肉や軽視、非難や侮蔑のニュアンスを帯びることが少なくありません。
たとえばチーム形式のオンライン対戦を行う場合、連携が重視される場面は多々あります。そんな中で、戦術を考えない行動を取るプレイヤーや、ルールや定石の把握が浅いプレイヤーに対して、「エンジョイ勢はチーム戦に参加するな!」といった非難を込めて使われることがあります。
また、自分に使う場合にも2種類の意味があります。シンプルに勝ち負けにこだわらない意味で、「私はエンジョイ勢です」という場合、悪い意味はありません。しかし、経験が浅い人や努力しているのに勝てない人に向かって「おまえのせいで負けた」などと罵る人への反発の意味で、「私はエンジョイ勢ですから」と言えば皮肉の意味が発生します。
このようにプレイスタイルの違いとして「エンジョイ勢」と「ガチ勢」という言葉を使うのは問題ないですが、揶揄の意味を含むことがあるので、他者に使うときは注意しましょう。
1-2. エンジョイ勢の対義語として使われる「ガチ勢」の言葉の意味
「ガチ勢」という言葉は、「エンジョイ勢」を語る際に対義語として使用されます。ガチ勢とは、勝利やランキング上位を目指して真剣にプレイする層を指し、効率的な育成や戦術の最適化を重視する傾向があります。
具体的には、最新の攻略情報を常に収集したり、長時間のプレイでスキルを磨いたりするなど、競技性の高いプレイスタイルが特徴です。eスポーツタイトルやレート制のあるゲームでは、この層がゲームの上位環境を形成しがちです。
ただし、ガチ勢という言葉にも文脈によっては「余裕がない」「楽しめていない」といった否定的な意味が含まれることがあります。特に過剰な勝利自慢、強さ自慢をしたり、自分より低ランクの人を侮辱したりする人には、侮蔑的に「ガチ勢」と使われることもあります。
2. エンジョイ勢という言葉が使われやすい場面
エンジョイ勢という言葉は、プレイスタイルの違いが可視化されやすいゲームジャンルで特に多用されます。とりわけプレイヤー同士の接点が多いタイトルで使われやすいですが、PvPやPvEなどジャンルによって使い方の違いが見られます。
2-1. PvP
対人戦(PvP)では、エンジョイ勢という表現が顕著に使われます。特にレートマッチやランク制度が存在するタイトルでは、プレイヤー同士の接点が多く、勝敗が明確になるからです。このような環境では、勝利を重視するプレイヤーとそうでないプレイヤーの姿勢の違いが可視化されます。
エンジョイ勢はレートを気にせずカジュアルマッチを中心に遊んだり、フレンドとの対戦を中心にしたりする傾向があります。また、最適な戦術よりも好きなキャラクターや装備を優先することも少なくありません。一方ガチ勢はあらゆる点で勝利に向けた選択をしがちです。
こうしたスタイルの違いを認め合えれば問題ありませんが、実際には価値観の違いから相手を批判してしまうこともあります。その結果、常に勝利を目指す人が、負けてもさほど気にしない人にエンジョイ勢というレッテルを貼ることがあります。
逆にカジュアルに楽しむ人の中には勝ちにこだわる人に息苦しさを感じて、ガチ勢と揶揄することもあるので、揶揄されるのはエンジョイ勢だけとは限りません。
2-2. PvE
PvEでエンジョイ勢という言葉が使われる場合、高難易度コンテンツへの参加の有無が分かれ目になりがちです。
エンジョイ勢はエンドコンテンツの制覇やランキング入りを狙うよりも、日常的なプレイやコミュニケーションを重視する傾向があります。フレンドとの交流やキャラクター収集など、ゲーム内の別の楽しみ方に価値を見出しているケースも少なくありません。
上記のようなプレイスタイルは、高難易度コンテンツに挑戦するプレイヤーからは「意識が低い」と受け取られる場合もあり、ここでも認識のズレが生じやすくなります。
3. エンジョイ勢という言葉が誤解されやすい理由
エンジョイ勢という言葉は便利さがある一方、実態以上に単純化され、誤解を招きやすい側面があります。
3-1. 負けたりミスしたりした際の免罪符として使われやすい言葉だから
エンジョイ勢という表現は、自分のプレイへの批判を回避する言い訳として使われることがあります。たとえば、ミスを指摘された際に「エンジョイ勢なので」と返すことでかわすケースです。
勝ちたい人の中にはミスを指摘するのは当然と考える人もいて、それに対して言い訳にしか思えない返答をされると「エンジョイ勢は邪魔」と非難されることがあります。
ただし、指摘された側は「娯楽として参加しているのに、なぜ説教されなければならないのか」と反発した結果、『ガチ勢面倒くさい』という気持ちから、「エンジョイ勢なので」と返答した可能性もあります。
3-2. 真剣にプレイしている人に温度差を感じさせる言葉だから
エンジョイ勢という言葉は、「真剣にやらない」というスタンスを表明する効果があるため、真剣に取り組んでいるプレイヤーとの間に溝ができがちです。
いわゆるガチ勢と呼ばれる人の中には、自分のプレイスタイルが嘲笑されている、と受け取る人もいます。このような感情的な摩擦が、言葉の印象をより複雑にしています。
3-3. SNSでラベル化されやすいから
SNSでは短い言葉で立場を示すことが多いため、短絡的に「エンジョイ勢」「ガチ勢」といった雑なラベル化が起きがちです。また、自分と違う相手を何らかの形で批判したいという気持ちが、「エンジョイ勢」「ガチ勢」といったラベル化を推進してしまうこともあります。
4. エンジョイ勢のプレイヤーにも楽しんでもらえるゲーム内容にするために心がけたいこと
開発側にとっては、エンジョイ勢とガチ勢の双方が満足できる環境を整えることが重要です。どちらか一方に偏ると、プレイヤーベースの縮小やコミュニティの分断につながる可能性があります。
4-1. マッチング機能や幅広い難易度のコンテンツを実装し住み分けを意識する
プレイヤーの趣味嗜好に応じたマッチングや難易度設計をすることで、無意味な衝突を回避しやすくなります。ランクマッチとカジュアルマッチを分けたり、初心者向けから上級者向けまで段階的なコンテンツを用意したりすることで、自然な住み分けが促進されます。
エンジョイ勢には気軽に遊べる環境を提供し、ガチ勢には競技性の高いプレイに集中してもらうことを意識しましょう。
4-2. チュートリアルの充実や救済措置の実装などを積極的に検討する
ゲームシステムの説明が不足していると、ルール理解が進まず、意図せず他プレイヤーとの温度差や摩擦が生じることがあります。ルールがわからないとプレイが雑になりやすいからです。これを踏まえて、チュートリアルのわかりやすさやヘルプ機能の整備に力を入れましょう。
また、敗北時のリカバリー要素やサポート機能を導入することで、ライト層の定着率が上がり、コミュニティ全体の活性化にもつながります。
4-3. コミュニティ運営とハラスメント対策に注力する
プレイヤー間の摩擦を抑えるためには、ゲーム外も含めたコミュニティ運営が欠かせません。特に、プレイスタイルの違いを理由とした誹謗中傷や排除行動への対策が重要です。
通報機能の充実や、公式からのガイドライン提示などを行って、コミュニティが荒れないように取り組みましょう。
5. まとめ
エンジョイ勢とは、勝敗やランキングよりゲームを楽しむことを優先するプレイヤーを指す言葉ですが、揶揄的に使われることもあります。
また、SNSなどでは短い文章でのやり取りが多いことから、いわゆるガチ勢とエンジョイ勢の間に誤解や対立が生まれることが少なくありません。こうした状況を踏まえて、開発側はプレイヤーの多様性を前提とした設計を行う必要があります。
個々のプレイヤーが自分に合った楽しみ方を選べれば、ゲームの長期的な成功につながりますから、分断が起きないよう心がけてください。
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