ゲーム業界における「デベロッパー」とは?業務内容などを解説


ゲーム業界の言葉で、「デベロッパー」と「パブリッシャー」という会社の種類分けを聞いたことがあると思います。
 
このコラムでは、ゲーム業界への就職や転職を目指す人に向けて、デベロッパーとパブリッシャーの違いを説明し、読んだ人がどちらを目指すのか参考にできるような情報をまとめています。
 

目次

1. ゲームデベロッパーとは

1-1. ゲームデベロッパーは、ゲームを実際に開発している会社

「ゲームデベロッパー」とは、ゲームを実際に開発している会社のことを言います。
例えば以下のような会社がデベロッパーにあたります。
 
・ノーティドッグ
・フロム・ソフトウェア
・モノリスソフト
・サイバーコネクトツー
・プラチナゲームズ
・インテリジェントシステムズ
・ヘキサドライブ など
 
一方パブリッシャー企業には任天堂やバンダイナムコ、セガ、コナミなどがあり、宣伝や販売を受け持っていることもあって一般的にパブリッシャーの方が認知度が高いです。
 

1-2. ゲームデベロッパーとパブリッシャーの違い

デベロッパーとパブリッシャーの違いは、デベロッパーがゲーム開発を行っているのに対して、パブリッシャーは自社またはデベロッパーが開発したゲームを販売したり、リリースしたりしている点にあります。
 

1-3. ゲームデベロッパーとパブリッシャーの関係

面白いゲーム、できの良いゲームを開発するには膨大なエネルギーと時間がかかりますし、宣伝・広告、販売もまた違うエネルギーを大きく必要とします。
そこでそれをあえて分業化することで効率を良くし、それぞれの事業に専念する形をとっているのです。
 
分業によって売り上げや利益が伸びれば、デベロッパーも安定してより良いものを作っていけますし、良いものができればパブリッシャーもさらに販売・宣伝に注力して売り上げを伸ばすことができます。
つまりそれぞれが専門分野に専念することで、WINWINの関係で共存共栄していくことができるのです。
 

1-4. パブリッシャーの大企業はデベロッパーでもある

大手のパブリッシャー会社の多くは、パブリッシャーとして宣伝・販売を行っているだけではなく、自社開発の能力も持っています。
例えばスクウェア・エニックスや任天堂などはパブリッシャーの大手として知られていますが、デベロッパーとしての能力・チームを持っています。
しかしデベロッパーとパブリッシャーの両面を持っている会社は基本的にはパブリッシャーと名乗ることが多いです。
 

1-5. 主なデベロッパー企業

1-5-1. フロム・ソフトウェア

株式会社フロム・ソフトウェアは、東京都新宿区に本社を置くゲームデベロッパーです。福岡にも開発スタジオを構えており、1986年に設立されました。株式会社KADOKAWAの連結子会社でもあります。
 
2025年5月末時点の従業員数は456名と発表されており、2025年3月期時点での年間売上額は234億9,700万円に達しています。
 
フロム・ソフトウェアと言えば、「死にゲー」「ソウルライク」と呼ばれるジャンルを確立したデベロッパーであり、ゲーマーに愛される高難易度のタイトルを多数生み出しています。その中でも、『DARK SOULS』シリーズや『SEKIRO』、『ELDEN RING』は世界の名だたるゲーム賞で最高位に選ばれています。
 
いまやフロム・ソフトウェアはデベロッパーながら世界的に知られるゲーム会社として、日本のゲーム業界で異彩を放つ存在です。
 

1-5-2. モノリスソフト

株式会社モノリスソフトは、東京都目黒区に本社を置くゲーム開発会社で、任天堂株式会社の完全子会社です。本社以外にも東京都品川区に大崎スタジオが、京都府京都市に京都スタジオがそれぞれあります。2025年3月期の決算では最終利益4億8,700万円を計上し、前期から19%の成長を果たしています。
 
業界最大手の一角である任天堂の子会社なので、就労環境の良さが魅力とされています。また、みなし残業がなく、1分単位で残業を算出するなど、従業員への配慮が豊富です。
 
任天堂の子会社として、『ゼルダの伝説』や『スプラトゥーン』、『どうぶつの森』などの超有名シリーズを扱う開発にも参加しています。
 

1-5-3. サイバーコネクトツー

株式会社サイバーコネクトツーは、福岡県福岡市博多区に所在するゲーム開発会社として1996年2月に誕生しました。本社以外にも東京都品川区に東京スタジオが、大阪府吹田市に大阪スタジオがそれぞれあります。
 
『ドラゴンボール』シリーズ、『ナルティメット』シリーズ、『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズといった大型IPゲームの開発を多数手がけており、ボトムアップ方式を基本とした「トライファクター」構造を採用することでバランスの取れた開発体制を維持しています。サウンドユニット「LieN -リアン-」、映像制作チーム「sai -サイ-」等の制作チームを設けていることも特徴です。
 
またデベロッパーとしてだけでなく、2016年には事業のパブリッシャー化を表明。自社パブリッシングタイトル第1弾として2021年に『戦場のフーガ』をリリース、2023年には『戦場のフーガ2』がリリースされています。
 

1-5-4. プラチナゲームズ

プラチナゲームズ株式会社は、大阪市北区に本社を置くゲーム開発会社です。本社以外にも東京都千代田区にプラチナゲームズTOKYOが、福岡県福岡市にプラチナゲームズFUKUOKAがそれぞれあります。設立時は有限会社ODDという社名でしたが、2007年10月に現在の商号に変更されています。
 
2017年にリリースされた『NieR:Automata』が大ヒットして世界に知られる存在となり、2022年リリースの『ベヨネッタ3』は世界的に権威のあるThe Game Awardsでベストアクションゲーム賞に輝くなど、確かな成果を残しています。
 
また2019年12月には、中国の大手ゲーム会社であるテンセント・ホールディングス社との資本提携を発表。今後ますます大型タイトルの開発が期待されています。
 

1-5-5. インテリジェントシステムズ

株式会社インテリジェントシステムズは、京都府京都市に本社を置くゲーム開発会社です。
 
任天堂株式会社のセカンドパーティー(テレビゲーム業界において、プラットフォームホルダーが発売するゲームソフトの企画・開発をする外部の企業群のこと)として、『ファイアーエムブレム』シリーズ、『ペーパーマリオ』シリーズ、『ワリオ』シリーズなど多数の任天堂リリースのタイトル開発に関わっています。
 
その歴史は1980年代から始まっており、日本の家庭用ゲームの黎明期であるファミリーコンピューター時代から任天堂のゲーム開発を支えてきた実績がある会社です。
 
※セカンドパーティー:テレビゲーム業界において、プラットフォームホルダーが発売するゲームソフトの企画・開発をする外部の企業群のこと
 

1-5-6. ノーティドッグ

ノーティドッグは、カリフォルニア州のサンタモニカに拠点を置くデベロッパーで、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)の子会社です。また、PlayStation向けの開発を行うフラッグシップ的なスタジオでもあります。
 
日本でも大ヒットとなった『クラッシュ・バンディクー』シリーズや『アンチャーテッド』の開発会社として知られており、「Golden Joystick Awards 2020」にてゲーム・オブ・ザ・イヤーを受賞した『The Last of Us Part II』の開発を担当しています。
 

1-5-7. ヘキサドライブ

株式会社ヘキサドライブは、大阪市浪速区に本社を置くゲーム開発会社です。本社以外にも東京都港区に東京オフィスがあります。2007年2月に、カプコンでメインプログラマーとして活躍していた松下正和氏によって設立されました。
 
PlayStationシリーズから任天堂ゲーム機、Xboxシリーズなど、プロダクトを問わず家庭用ゲームを開発しており、『ニンジャラ』、『ファイナルファンタジー零式 HD』等の開発実績があります。
 
また、2026年リリースのスクウェア・エニックスによる新作タイトル『ドラゴンクエストVII リイマジンド』の開発も手掛けています。
 

2. ゲームデベロッパーの業務内容

ゲームデベロッパー
 

2-1. パブリッシャーの提示する期限を厳守し、ゲームを開発する

ゲームデベロッパーの多くはパブリッシャーが出した規格に沿って、また納期を守ってゲームの製作を行います。
その業務内容は企画やシナリオを作ったり、キャラクターをデザインしたり、CGやアニメーションを作成したり、効果音を作成したり、それらを作品として楽しめるようにプログラミングしたり、と非常に多様です。
 
職種としても、いわゆるディレクター、プランナー、プログラマー、デザイナー、といった人たちが在籍しています。
また、グラフィック部分やプログラミング部分などさらに細かいところに特化した企業もありますから、その形態もさまざまです。
 
一般的に「ゲーム会社」というと、多くの人は任天堂などのパブリッシャーを思い浮かべると思います。
しかし、実際にゲーム開発部分を担当しているのはデベロッパーになります。
 

2-2. 自社タイトルの開発をする

デベロッパーの多くはパブリッシャーからの依頼を受けてゲーム製作を行っていますが、パブリッシャーからの発注だけでなく、自社で企画から起こしてタイトルを生み出していくデベロッパーもあります。
これは利益性を高めるため、自社の認知度を上げるため、という経済的な側面が高いですが、それだけではありません。
クリエイターとしての自由な感性を追求するため、「面白いものをゼロから作り出す喜びが企業を成長させる」といった良い意味での職人気質も理由になっています。
 

3. ゲームデベロッパーとインディーの違い

インディースタジオやインディークリエイターの定義は明確ではありませんが、「大規模なパブリッシャーの資金援助を受けずゲーム開発を行うスタジオやクリエイター」と考えるとよいでしょう。インディースタジオは基本的にリリースも自力で行うので、パブリッシャーの存在を必須としません。
 
一方、ゲームデベロッパーはパブリッシャーからの依頼でゲーム開発をしたり、自社で企画を立ててパブリッシャーに持ち込んだりするなど、パブリッシャーとの分業、協業を前提としています。
 

4. ゲームデベロッパーの将来性

4-1. 優れたタイトルを生み出せば、パブリッシャーがリリースしたとしても認知度が上がる

一般の人にそれほど名前が知られていないとしても、デベロッパーとして良い仕事をすれば業界での認知度が上がり、利益性を高め、さらに大きなチャンスを得ることもできます。
また、ゲーム好きな人ならどのデベロッパーが製作しているかにも着目していますから、デベロッパーの名前によってタイトルの販売数が左右されることは珍しくありません。
 
デベロッパーとして知られている会社も無数にあります。
特に上記で挙げたようにノーティドッグ、フロム・ソフトウェア、モノリスソフト、サイバーコネクトツー、プラチナゲームズなどはデベロッパーとして高い知名度を持っており、それぞれファンの数も少なくありません。
 

4-2. 会社の知名度が上がれば、パブリッシャー事業に参入することもできる

会社の方針にも寄りますが、会社の知名度を上げて、デベロッパーとしての事業を続けるだけにとどまらずパブリッシャー事業に参入する会社もあります。
 
例えばレベルファイブは1998年に創立して以来、プレステ2専用のソフトや、ドラクエシリーズの製作も行うなどして知名度を上げた上で、2006年にパブリッシャー事業に参入しています。
 

4-3. 特定の技術に特化していれば、大手から提携・M&Aの声がかけられることもある

ゲーム業界は常に変革の波にさらされており、大手企業も生き残るために新しい技術の取得に力を尽くしています。
そして、新しい技術を自社のものにする手段のひとつにM&Aがあります。
大手企業といっても自社でゼロから新技術に習熟した人材を育てることは困難ですから、特定の技術を持つデベロッパーをM&Aで取り込んでしまう方が効率的なのです。
 
そのため、小規模のデベロッパーに就職したのに、気が付くと大手企業の社員になっていた、ということも起こりえるのがゲーム業界の特徴とも言えます。
 
M&Aは個人の力が及ばないところで行われるので過度な期待は出来ませんが、特定の技術に突出したデベロッパーで力を付ければ転職を考える時にも優位です。
デベロッパーへの就職や転職を考えるなら、技術力の高さも検討要素に入れましょう。
 

5. ゲームデベロッパーに就職するのがおすすめな人

ゲームデベロッパー

5-1. ゲーム業界でキャリア・実戦経験を積みたい人

同じゲーム業界でも有名パブリッシャーは就職希望者が多く、競争率も非常に高いことが知られています。
 
ゲームパブリッシャー、デベロッパーの新卒採用数や、求人倍率について詳しく説明している記事がありますので、興味がある方は以下を参照してください。
「人気ゲーム会社の就職倍率は?内定を勝ち取るためのポイントも説明」
 
このように競争率の点ではデベロッパーの方が比較的入りやすいと言えますから、とにかくゲーム業界に入ってキャリアや実績を積みたい人は、デベロッパーへの就職を目指してみてはいかがでしょうか?
ただし、デベロッパーでもすでに知名度が高い会社は競争率が高いので楽に入ることができるわけではありません。
ゲーム業界への就職を考えている人は、企業が必要とするようなスキルを磨き、アピールポイントをしっかり整理してエントリーに臨みましょう。
 

5-2. ゲームを作っているという実感を強く感じたい人

デベロッパーはパブリッシャーに比べると、会社としての規模が小さく、人的リソースも豊富とは言えない中で頑張っているケースが多いです。
そのため、経験が浅い若手社員でも、タイトルに関わる度合いが高いことが予想できます。
 
大きな会社で部分的な担当業務をこなすよりも、幅広い裁量を持って仕事をしたいという人はデベロッパーに向いていると言えるでしょう。
 

5-3. 会社の色・サービス・IPに強く惚れ込んだ人

デベロッパーは会社規模が小さいことや、クリエイター色が強い集団であることなどから、パブリッシャーよりも独自性が高い傾向があります。
例えば、3Dアクションの技術に習熟した会社や、恋愛系のゲームに強い会社、ダークな世界観で固定ファンを抱えている会社など、ニッチなカラーをウリにしている企業が多いです。
そのため、独自色が強い会社を求めている人、既に人気があるIPに関連した仕事をしたい人は、適した魅力を持つデベロッパーを探してみましょう。
 

6. ゲームデベロッパーへの就職・転職を志す際の注意点


この項目では、ゲームデベロッパーに就職・転職する際の注意点を解説します。
 

6-1. 個人に割り振られるタスクが多様になり、多忙な傾向にある

デベロッパーは直接的にゲーム開発・制作業務を担当します。ゲーム関連の技術は進歩が速く、新しさを求められることが多いため、スケジュールが押すことも多いでしょう。
 
また、規模が小さいデベロッパーであればリソースも限られるので、個人の作業量が増えがちで多忙な傾向が見られます。
 

6-2. 大手(ゲームパブリッシャー)と比べて待遇や福利厚生が安定していない会社がある

誰もが社名を知っているような大手パブリッシャーは、平均的に待遇や福利厚生が充実しています。一方、デベロッパーはパブリッシャーより会社規模が小さくなりがちなため、大手デベロッパーのような待遇を望むのは難しいでしょう。
 
ただし小さい会社でも待遇や福利厚生に力を入れている会社もあります。待遇や福利厚生を重視する人は、募集要項をしっかりチェックしましょう。
 
関連記事
「ゲーム会社の福利厚生はどんなものがある?基本のものからユニークなものまで紹介」
 

6-3. 仕様変更などに対する柔軟性が要求される可能性がある

ゲームを作るうえで、途中で仕様変更を要求されることは少なからずあり得ます。変更が発生すれば各所で対応が行われますが、作業量的に追われやすいのはデベロッパーのエンジニアやクリエイターです。
 
そのため、仕様変更に柔軟に対応できる能力や精神性が求められることもあるでしょう。
 

7. ゲームデベロッパーではなくパブリッシャーに就職するのがおすすめな人

ここでは、デベロッパーよりパブリッシャーに向いていると思われる人の特徴を紹介します。
 

7-1. ワークライフバランスや福利厚生を重視している人

当コラムの「ゲームデベロッパーへの就職・転職を志す際の注意点」でも解説しましたが、デベロッパーは直接的な開発・制作作業が中心なので、納期前や仕様変更時などは残業が増えがちです。また、福利厚生もパブリッシャーの方が充実している例が多いでしょう。
 
これを踏まえると、ワークライフバランスや福利厚生を重視している人はパブリッシャーの方が向いています。
 

7-2. 整備された環境下で自分ができる可能性を集中して伸ばしたい人

パブリッシャーにも大小さまざまな会社がありますが、平均的にはデベロッパーより会社規模が大きいことが多く、その分就労環境も整っています。特に大手パブリッシャーであれば、教育体制やステップアップの機会も豊富です。
 
そのため、できるだけ整備された環境で働きたいと思う人には、パブリッシャーが向いています。
 

7-3. プロフェッショナルが多く刺激を受けやすい環境に身を置きたい人

パブリッシャーは宣伝、広報を担うため、デベロッパーより知名度が上がりやすく、その分就職・転職を目指す人が増えます。結果的に優秀な人材が集まるので、同僚からの刺激を受けやすい環境が形成されます。
 
これを踏まえて、同僚と切磋琢磨しながら成長したいと思う人には、パブリッシャーがおすすめです。
 

8. まとめ

ゲーム会社におけるデベロッパーとパブリッシャーの違いを解説し、デベロッパーの業務内容やその将来性などを紹介しました。
 
大きくまとめれば、大本の企画や宣伝、販売を中心に業務を行っているのがパブリッシャー、製作を中心に行っているのがデベロッパーです。
とは言えその境目は完全にはっきりしたものではなく、パブリッシャー企業がデベロッパー的な動きをすることもありますし、デベロッパーとしてスタートしてパブリッシャー業務に参入する会社もあります。
 
ゲーム会社への就職・転職を考えている人は、自分自身が望む職種や、思い描く将来像を踏まえた活動を行ってください。
 
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