面白いレトロゲームを現代に復活させるには?『Missile Command: Recharged』のアプローチ


『スーパーマリオブラザーズ』のように、いつの時代にも遊ばれる名作というものがありますが、『Missile Command: Recharged』は往年の面白さを踏襲しつつも、現代にも評価されるべく復活したリメイク作品です。

 

ATARIの『Missile Command: Recharged』とは

現代的な外観が特徴の今作ですが、実はオリジナル作品の初登場は40年近くも遡ります。

公式ページ:https://www.atari.com/games/missile-command-recharged/

 

名作『Missile Command』をリメイク

 

1980年にアメリカのATARI(アタリ)が開発した「Missile Command(ミサイルコマンド)」は、アーケードゲームとして多大な人気を誇りました。

 

プレイヤーは砲台を操作し、次々と迫り来るミサイルを迎撃していきます。

 

ミサイルの到達地点をうまく予想しつつ、できるだけ多くのミサイルを一度の砲撃で撃墜することで、ハイスコアを狙うことができます。

 

https://www.youtube.com/watch?v=nokIGklnBGY

 

後半になるにつれ、基地の残弾よりもはるかに多い数のミサイルを迎撃することを強いられるため、効率よく、それでいて迅速にミサイルを処理する必要があり、このスリルが当時の若者の心をしっかりと掴んだのです。

 

『Missile Command: Recharged』は、そんなオリジナル作品のアクションとスリルをしっかりと踏襲したリメイク作品となっており、新規ユーザーはもちろんのこと、当時のゲームを知っている大人にとっても、楽しかった思い出が蘇る、優れた作品に仕上がっています。

 

サクサク遊べるアーケード型ゲーム

『Missile Command: Recharged』はリメイク作品ということですが、基本的なプレイスタイルは変わっていません。

 

迫り来るミサイル攻撃から、限りある迎撃ミサイルを使って都市を守るというものですが、オリジナル同様、短いステージを少しづつクリアしていくごとに、難易度が高くなっていきます。

 

高難易度になる程クリアは難しいものの、ハイスコアを狙うことができるというシステムはそのままに、現代に蘇った美麗なグラフィックを堪能することができるよう製作されています。

 

アーケードゲームとしてのとっつき易さはしっかりと踏襲されているので、スマホを取り出せる空き時間などにちょっとだけプレイ、なんていうことも可能です。

 

まるでゲームセンターを持ち歩いているような感覚を覚えさせてくれるのも、このゲームの魅力の一つと言えるでしょう。

 

 

『Missile Command: Recharged』に加えられた仕様変更

何世代も前のゲームが現代に蘇るにあたり、どのような点においてアレンジが加えられたのでしょうか。

 

進化した物量

オリジナル版からのアップデートとして顕著な点を挙げるなら、やはりその圧倒的な物量への進化でしょう。

 

オリジナル版では、難易度が高くなっても現れるターゲットの数はそこそこにとどまっていたため、ミサイルが降り注いでくるスリルのようなものは、そこまで大きなものではりませんでした。

 

しかしリメイク版となる今作では、マシンのスペックが当時とは比べ物にならないほど向上したこともあり、オリジナル版では考えられなかった量のミサイルに、プレイヤーは対峙することとなります。

 

雨あられのように降り注ぐミサイルを、迎撃ミサイルの爆風で破壊していく爽快感はリメイク版ならではの醍醐味となっており、同時にオリジナル版以上に戦略的なプレイも求められるよう進化しました。

 

 

進化したグラフィック

もう一つの目新しいアップデートといえば、グラフィックの点が挙げられます。

 

オリジナル版ではドット絵と単音のサウンドエフェクトが唯一の演出となっていましたが、リメイク版となる今作では、非常に色あざやかでネオンのような演出が眩しいグラフィックと、豊かなオーディオで楽しめるサウンドが追加されています。

 

流れ星を撃ち落とすような、幻想的な世界観を味わえるようアレンジが加えられており、ミサイルが降り注ぐ戦争のような緊張感よりも、むしろSFファンタジーとしてのジャンルが確立されているのも、『Missile Command: Recharged』の特徴です。

 

https://youtu.be/ic23eojBiW0

 

 

面白いリメイク作品として評価してもらうためのポイント

リメイク作品にも当たり外れはありますが、確実にリメイクを成功させるための重要なポイントには共通点があります。

 

視覚的な感動は重要

往年の名作のリメイクに欠かせないのが、グラフィックデザインや物量のアップデートなど、視覚的な感動の提供です。

 

有名なリメイク作品の多くは、すでにゲーム体験そのものの完成度が極限まで高まっているため、この点に変更を加える必要はありません。

 

その代わり、当時では成し得なかった、あるいは加えたかったが実現しなかったのであろう要素を改めて加えることで、オリジナルのゲームの魅力を200%にまで高める取り組みが必要です。

 

『Missile Command: Recharged』において顕著な例を挙げるとすれば、迫り来るミサイルのスリルをさらに高めるため、ミサイルの数を増やすことによって、このゲームが持つアクション性をアップグレードすることに成功しています。

 

オリジナル同様、数える程のミサイルが飛んでくるのがダラダラと続くようでは、現代の若者は愚か、当時楽しくこのゲームを遊んでいた人にとっても、刺激に溢れた今日のエンターテイメントとしては、いまいち魅力に欠けてしまいます。

 

そこで、当時には成し得なかった圧倒的な物量を、現代の技術によって実現することで、現代のコンテンツとしても劣らない豊かな体験を届けることができるのです。

 

ゲームの根本は決して変えない

リメイク版を製作するにあたり、重要なのはオリジナル版への配慮です。

 

いくら設定や雰囲気が一緒とはいえ、オリジナルの根本を覆すような斬新なゲームシステムの導入は受け入れられません。当時のプレイ体験を期待したファンにとっては残念な思いをさせてしまうだけでなく、結果的に失敗となってしまうことが考えられます。

 

そのため、リメイクを作ると決めた場合、まずはオリジナル作品のエッセンスの抽出に取り組み、そのゲームの軸を知ることに取り組みましょう。

 

変えてはいけないところはどこか、変えなければいけない部分はどこかを見極めます。そして、自分流のアレンジを加えられる余地はどのあたりにあるのかなど、考えなければいけないことは山積みです。

 

名作ゲームのリメイクは、名作の肩に乗っかる焼き増し作品と言われることもあります。実際のところ、リメイクに伴う作業というものは、非常に作り手のセンスが問われる部分も多いものなのです。

 

おわりに

名作ゲームが「名作」と言われる理由には、多くのファンの心を掴んだ面白いポイントをしっかりと備えているところにあります。

 

名作ゲームのリメイクに携わることで、自身のゲームクリエイトにおけるセンスを試すことができるだけでなく、名作が名作たる所以の「面白さ」にも触れることができるでしょう。

 

ライター名:Satoru Yoshimura

プロフィール:ライター。20年以上の付き合いがあるビデオゲームとアメリカ音楽をテーマとした活動が中心。「日本のゲーム音楽がヒップホップに与えた影響」などブログで公開中。

 

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