ゲーム業界におけるレビューの重要性とは?レビューの種類についても解説


 
ゲームがリリースされると、レビューサイトやECサイトのほか、ゲーム配信プラットフォームや個人のブログなどでレビューが行われます。有名タイトルであれば無数と言えるほどレビューが執筆されますが、これらのレビューは、ゲーム業界にどのような影響を与えているのでしょうか?
 
このコラムでは、さまざまなレビューがゲーム業界にどのように影響しているのかを検討し、業界でのレビューの重要性を解説していきます。
 

1. ゲーム業界におけるレビューの重要性

この項目では、まずゲーム業界において、レビューがどの程度重要であるかを解説します。
 
株式会社ゲームエイジ総研という企業が2022年に公表した報告によれば、日本人ゲーマーの38.5%がゲームレビューを参考にしているという結果が出ています。また、レビューに関しては、半数以上の人がスコアと文面の両方をチェックしていることや、誰が書いたレビューなのかも確認する人が34%も存在することがわかっています。
 
上記のことから、日本ではゲームレビューを参考にしていない人の方が多数派であるものの、約4割程度の人がレビューを参照していると判断できます。これがそのままダウンロードや購入に繋がっているかは不明です。とはいえ、4割程度の人が「レビューを参考にしている」と答えている以上、レビューがゲームのダウンロード数や売上数に影響していないとは考えにくい実情があります。
 
また、海外ではSteamのレビューで低評価を受けると売上にも悪影響があるとされています。Steamの評価に、大喜利のようにふざけて低不評を書き込む人がいるそうですが、これに対して「ゲームの売り上げが下がるので、冗談でも低評価を書きこむのはやめてほしい」と発言しているパブリッシャーがあるそうです。このような抗議が行われること自体、レビューの影響が大きいことを物語っているとも言えます。
 
さらに、映画やゲームなどのエンターテインメントのレビューを収集しているMetacriticというサイトで発信されるメタスコアも、Steamのようにゲーム業界に大きな影響を与えています。
 

2. ゲームレビューの種類

この項目では、ゲームレビューの種類を紹介します。
 

2-1. 企業(レビューサイト)によるレビュー

海外のゲームレビューサイトとして知られており、業界に大きな影響を与える存在としてMetacriticというレビューサイトのCritic Reviewsがあります。また日本国内では、ファミ通や4Gamerなどが有名です。
 

2-2. ユーザーレビュー

一般に「ユーザーレビュー」と言われるものの掲載はいくつかの媒体で行われているので、以下で代表的な媒体を解説します。
 

2-2-1. ECサイト

ゲームを販売しているECサイトでは、購入した人のレビューを掲載するシステムを実装している場合があります。特にAmazonは利用者が多いこともあって、レビューを購入時の検討材料としていることも少なくありません。
 
株式会社ゲームエイジ総研という企業が2022年に公表した報告によれば、日本のゲーマーが参照するレビューの第1位はAmazonであることがわかっています。Amazonのレビューがどの程度購買行動に影響を与えたのかは数値化されていませんが、参考にするレビューの第1位となっている点を踏まえれば、影響がないとは考えにくいでしょう。
 

2-2-2. ゲーム配信プラットフォーム(Steamなど)

2023年3月にサンフランシスコで行われたGDC2023(Game Developers Conference2023)で、過去に多数のインディーズゲームの開発を行ってきたChris Hanney氏がSteamのユーザーレビューがゲームの購買率に大きな影響を与えていると発言しています。
 
この意見を踏まえるなら、Steamなどのゲーム配信プラットフォームに書き込まれるレビューは非常に重要であると考えて良いでしょう。
 

2-2-3. SNSやユーザー寄稿サイト

株式会社ゲームエイジ総研という企業が2022年に公表した報告によれば、日本のゲーマーが参照するレビューの第1位はAmazonで、第2位がYouTubeなどの動画サイト、3位がX(旧Twitter)などのSNSです。
 
つまり、ユーザーがSNSや動画サイトなどに発する意見を参考にしている人が非常に多いことが予想できます。
 

3. ゲームレビューがマーケティングに及ぼす影響

この項目では、ゲームレビューがマーケティングにどのような影響を及ぼしているかを、ゲームの規模で分けて検討・解説します。
 

3-1. インディータイトル

インディータイトルは、ほとんどの場合費用をかけて広告を出すことができません。そのため、Steamなどのプラットフォームや各種SNS、YouTubeなどでユーザーがあげるレビューは売り上げに大きな影響を与えます。
 
もっとわかりやすく言えば、レビューが振るわなかったり実況動画が盛況ではなかったりするタイトルはほとんど売れないということもできるでしょう。
 

3-2. 大手パブリッシャーの完全新作タイトル

大手パブリッシャーが完全新作のタイトルを出す場合、多数の広告が出ますし、事前登録なども行われます。そのため、インディータイトルに比べると、リリース初期の売り上げは広告戦略に依存することが考えられます。
 
とはいえ、リリース前の広告の評価が好調でも、実際にプレイした人やゲーム関係者からの不評が多ければ、その後のセールスは伸び悩む可能性があります。
 
大手パブリッシャーが力を入れた新作タイトルであるほど多額の開発費が投じられていますから、低評価のレビューが多ければ商業的には失敗と判断される可能性があります。すると、予定されていた次回作の話が消滅したり、ソーシャルゲームであれば早めにサービス終了したりすることもあり得ます。
 

3-3. ナンバリングタイトル

シリーズ化しているタイトルのナンバリング新作が出た場合、過去作のファンがいますから一定程度の売り上げは期待できます。そのため、ユーザーレビューが多少振るわなくても、インディーゲームや完全新作ゲーム程のダメージは受けないでしょう。
 
とはいえ、ユーザーの評価が悪すぎれば過去作からのファンが離れてしまうこともあります。そうなると、ナンバリングタイトルの最後の一作となることすらないとは言えません。
 

4. ゲーム開発者目線で考える、ゲームレビューの活かし方

この項目では、ゲーム開発者がレビューをどのように活かしていくべきかを解説します。
 

4-1. ポジティブなレビューの活かし方

ゲームの斬新さや面白さなどを高評価してくれるポジティブなレビューが多ければ、開発者としてはまずは素直に喜び、業務のモチベーションとすべきです。また、プロジェクトメンバー同士で苦労をねぎらい合うなどして、チームの連携を高めておくのも良いでしょう。
 
さらに、次回作でも再度高評価を得られるように、ユーザーにとってどんな点が良いと感じられたのかを確認し、自分自身が担当した部分の再評価をしておくこともおすすめします。そのうえで、残しておくべき要素やシステムを把握し、残さない方が良い内容とともに文章化しておくことも重要です。
 

4-2. ネガティブなレビューの活かし方

ここからは、ユーザーや批評家からネガティブなレビューを上げられたときの活かし方を3点記載します。
 

4-2-1. すぐに改善できる問題はアップデートで対応する

悪いレビューは最後通告として捉えるよりも、問題点を改善するためのヒントと考えることで評価を好転できる場合もあります。
 
例えば低評価の理由の中には対戦環境のバランスが悪い場合や、アイテムの入手方法がわかりにくい、モンスターの出現確率が低いなど、比較的すぐ対応可能な指摘も多数あることが一般的です。
 
不具合であれば緊急メンテナンスを行う必要がありますし、バランスの悪さに対する指摘なら、次回のメンテナンスで改善できるかどうか検討してみましょう。そのように誠意ある対応をすることで、低評価が高評価に転じる可能性はあります。
 
また、「要望が聞き入れられた」とユーザーが感じてくれれば高評価には至らなくても低評価のレビューを連発されるリスクは減らせるでしょう。
 
ネガティブな評価があったからといって、落ち込むだけで何もしない場合、ゲーム単体の話ではなく会社の信用にも関わります。そのため、ネガティブなレビューを活かそうとする心構えを持つことが重要です。
 

4-2-2. ゲームシステムの根幹に問題がある場合は次回作に活かす

ネガティブなレビューの中には、ゲームの根幹を突く内容もあるかもしれません。それでも、そのレビューを活かす手はあります。
 
まずそのネガティブなレビューが的を射ているのかどうかを複数の目で確認し、問題点を捉えていると判断した場合は、なぜそのような事態に至ったのかを考えることが重要です。その上で、そのゲームを改善する方法はないかを検討し、もしそれが叶わなくても次回作に活かすための布石とすることをおすすめします。
 

4-2-3. 運営に問題がある場合は社内体制を見直す

ネガティブなレビューがゲームの内容ではなく運営に対するものであった場合、まずその内容をしっかり分析する必要があります。分析・検討の結果、指摘の通り運営に問題があるのなら、どのように改善するかを考えましょう。
 
時には社内の体制を見直すことにもなるかもしれませんが、悪い点を正す機会が得られるのはめったにないチャンスと考えれば、ネガティブなレビューというより社内改善のチャンスとして活かせるでしょう。
 

5. まとめ

ゲーム業界におけるレビューの重要性について、さまざまな角度から検討・考察しました。
 
ゲームレビューは、レビューサイトやECサイト、ゲーム配信プラットフォームやSNSのほか、ユーザー投稿サイトなどに無数に上げられています。
 
実際の影響としては、購入やダウンロードの参考にしている人が少なくないこと、ゲームの売上や次回作などに影響を与える存在であることなどがわかっています。そのため、ゲーム会社やゲーム開発者としては無視できないものになっているのが実情です。
 
その点を踏まえて、ポジティブなレビューでもネガティブなレビューでも、業務にしっかりと活かしていくことが重要です。ぜひこの機会に、現状はレビューをどのように捉えているかを確認し、活かせる部分はしっかりと活かしていきましょう
 

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