一つのゲームを開発するまでの流れとは?種類別に説明


 
「1つのゲームを開発するまでにどのような流れをたどるのか?」これからゲーム業界の仕事に携わりたい方には気になる情報でしょう。
 
ゲーム開発には多くのスタッフが携わり、企画から開発を経て世に送り出されます。今回は企画・検討からサービスの運営・維持までをご紹介しますので、自分に向いていると思う職種を見つけるという意味でも、参考にしてみてください。
 

1. ①企画・検討

ゲーム開発
ゲーム開発の初期として、企画・検討からスタートします。「どのようなゲームにするのか」、「きちんとユーザーから認められるものにできるのか」などを考えます。
 

1-1. コンセプトやゲームの面白さを煮詰める

ユーザーからのニーズを分析するなど、しっかりとした市場調査を行いゲームのコンセプトを選定します。コンセプトとは、ゲーム内で表現したい概念や視点のことであり、これを最初にしっかりと固めておく必要があります。
 

1-2. ビジネス面で結果を出せる可能性があるかを討議

コンセプトを選定したら、次にゲームがきちんとビジネス面で結果を出せるかどうかの検討を進めます。
 
社長や役員が出席する場で企画のコンセプトや売上の予想計画をプレゼンテーションし、承認を得られなければゲーム開発をスタートさせられません。開発予定のゲームの面白さに納得してもらい、それが万人にも伝わる内容であることを証明する必要があるのです。
 
ディレクターは自分の好きなゲームを作るのではなく、多くのユーザーに受け入れられるものを作成しなければなりません。そのためゲームに対する熱意だけでなく、これまでのゲームの知識や高いスキルが求められます。
 

1-3. 具体的なフローや開発に使用するミドルウェアの選別

スケジュールを選定し、各部門の必要なスタッフを集めます。
 
ゲームの作成にはプロデューサーやディレクター、プランナー、プログラマーなど多くの職種が携わります。また、開発に使用するミドルウェアの選定を行います。
 
ミドルウェアとは、コンピュータの基本的な制御に使うOSと、各種業務処理を行うアプリとの間に入るソフトウェアのことです。進化するゲームエンジンに対し、ミドルウェアの選定は欠かせないものとなっています。
 

1-4. 開発前に決めておきたい要件を整理する

コンセプトやビジネス面の検討と並行して、開発をスムーズに進めるために欠かせないのが「要件の整理」です。ここが曖昧なまま開発に進むと、後の工程で手戻りが発生しやすくなります。
 
具体的には、ターゲットユーザー、対応プラットフォーム、収益モデル、開発規模、スケジュール、予算といった項目を整理します。「面白そう」という感覚だけで走り出すのではなく、「誰に」「どの端末で」「どのように遊んでもらい」「どう収益を得るのか」を明確にしておくことが重要です。
 
たとえば同じアクションゲームでも、スマートフォン向けの基本無料タイトルとして作るのか、PCやコンシューマー向けの買い切りタイトルとして作るのかで、開発規模も設計思想も大きく変わります。こうした前提を固めておくことで、以降の工程での判断がぶれにくくなるのです。
 
この要件整理は、主にプランナーやプロデューサーが中心となって関わる領域です。ゲームの方向性を決める土台となるため、企画段階でしっかりと詰めておきましょう。

<活躍できる職種>

・プロデューサー
ゲーム作成の最高責任者です。ゲーム全体を俯瞰し、予算やスケジュールを管理しながら売上につながるゲーム作成を管理する職種です。
 
・ディレクター
ディレクターは自分の好きなゲームを作るのではなく、多くのユーザーに受け入れられるものを作成しなければなりません。そのためゲームに対する熱意だけでなく、これまでのゲームの知識や高いスキルが求められます。

 

2. ②プロト版の作成

ゲーム開発
少人数メンバーによるプロト版の作成に進みます。大手ゲームメーカーである任天堂では少人数チームを作成し、プロト版を作成してから開発の承認を得る、という流れを採用するなど、ゲーム会社によって流れに多少の違いはあります。
 

2-1. 少人数のコアメンバーによるプロト版の制作

詳細な仕様書をもとにプログラマーに開発を依頼。並行してシナリオやキャラクターのデザイン、ゲーム中のイベントの作成を進めていきます。
 
これらプロト版の作成にはディレクターの指示とプログラマーの活躍が欠かせません。単純な作業の繰り返しとなる部分はありますが、着実にゲーム開発の一歩を進んでいるのです。
 

2-2. ビジュアルやサウンドのブラッシュアップ

ゲーム中でのキャラクターや背景、テキストなどのビジュアルデザインの作成を進めます。多くのユーザーはビジュアルを見てゲームを購入するため、売上にとって欠かせない部分です。並行してサウンドのブラッシュアップを行い、ユーザーをゲーム内に引き込む魅力的なものにしていきます。
 
このように、ゲームとしてきちんと成立するかどうかを確認していきます。
 

2-3. 商標チェックなどの法務作業

ゲーム開発には商標チェックなどの法務作業が発生します。クリエイターとは別に法務部門のスタッフが担当し、商標や特許権のほか、各種契約や取引法務などを行います。
 

<活躍できる職種>

・プロデューサー
ゲームプロデューサーにはリーダーシップだけではなく、法務知識が必要とされるケースもあります。ゲーム制作において、いざというときに法律についての知識があれば問題解決をスピーディーにこなせるでしょう。
 
・ディレクター
プロト版の制作に携わるメンバーを束ね、完成へと導きます。ディレクターには強いリーダーシップが求められます。
 
・プログラマー
ゲームがきちんと作動するように、細かくプログラムを作成する必要があります。根気の必要な作業ですが、一つひとつこなしていきます。
 
・デザイナー(2Dデザイナー/3Dデザイナー/キャラクターデザイナー等)
デザイナーはディレクターやプランナーの指示書の通りにデザインを行っていきます。ゲームの世界観が伝わる魅力的なデザインを作りこんでいきましょう。
 
サウンドクリエイター
ゲームサウンドはゲームの臨場感を支える非常に重要な要素です。ユーザー層や言語に関係なく感動や興奮を伝えられる要素として、ゲームに上質なサウンドは欠かせません。
 
法務部門
法務部門は外部とのやり取りだけではなく、社内の法整備やトラブルの対応、社内規定の整備なども担当しています。

 

3. ③アルファ版の作成

ゲーム開発
ゲームには開発途中でいくつかのバージョンが存在します。まずは最初の段階であるアルファ版から解説します。
 

3-1. メインビジュアル・メインテーマの決定

アルファ版はゲームのメインの部分がほとんど完成した状態を指すことがほとんどです。この段階でゲームのメインビジュアルとメインテーマがほとんど完成しています。
 

3-2. 一通り遊べるようにゲームの基本フローを作成

基本フローはこの段階で作成します。アルファ版は実際にプレイすることができ、一通りのアクションとストーリーを楽しめます。
 

3-3. 必要に応じてアルファ版のテストを実施

アルファ版ではまだ細かい点など未完成の部分も多くありますが、バグなどが残っている可能性が存在します。必要に応じてゲームテスターや一般ユーザーにテストプレイを依頼し、ゲームが正常に起動しているかどうかなどをチェックします。
 

<活躍できる職種>

・ディレクター
アルファ版の段階でゲームのほとんどが完成しているため、製品版に近いイメージに近づけられます。製品版の完成へ向けて、さらなる開発を指示します。
 
・プログラマー
ゲームの根本部分はある程度完成していますが、さらにブラッシュアップすべく、細かくプログラミングを続けていく必要があります。
・デザイナー(2Dデザイナー/3Dデザイナー/キャラクターデザイナー等)
デザイン部分もほとんど完成していますが、製品版へ向けてよりよくしていくためにブラッシュアップが欠かせません。
 
・サウンドクリエイター
ゲーム音楽やBGMなどを作成します。ゲームに求められるイメージを把握し、舞台を盛り上げるサウンド作成を行います。
 
・カスタマーサポート
一般ユーザーにテストプレイをお願いした際に発生した不具合の対応や、頂いたフィードバックをまとめます。

 

4. ④ベータ版の完成

ゲーム開発
ベータ版の開発は、ゲームの面白さをさらに加速させるコンテンツの追加がメインとなります。スケジュール上、このフローが最も長くなると言われており、ベータ版開発が終了となれば、完成形にほぼ近い状態となります。
 

4-1. ゲームコンテンツの全実装

ベータ版ではゲームのイベントやアイテムなど、コンテンツを全て実装します。
 

4-2. リリースイベントや営業スケジュールの確認

ベータ版が完成した段階で、リリースイベントを行う場合があります。発売前に先行してユーザーにゲームをプレイしてもらうことで、話題性を高めるのです。また、営業スケジュールの確認など、プロモーションから発売までの流れもしっかりと決めていきます
 

4-3. 必要に応じてベータ版のテストを実施

ベータ版はリリースイベントなどで、必要に応じて一般のユーザーにもテストプレイしてもらうことがあります。この際に得られた貴重な意見を頼りに、バグの修正やさらなる機能向上を行う場合があります。
 

4-4. 【補足】クローズドβとオープンβの違い

ベータ版のテストには、大きく分けて「クローズドβ」と「オープンβ」の2種類があります。どちらも発売前にユーザーへ触れてもらうテストですが、その目的には違いがあります。
 
クローズドβは、抽選や応募などで選ばれた限られたユーザーのみが参加できるテストです。参加人数を絞ることで、不具合の発見やゲームバランスの確認といった、品質面の検証をていねいに行いやすい点が特徴です。開発側が意図した範囲でフィードバックを集めたい段階に向いています。
 
一方のオープンβは、基本的に誰でも参加できる、より開かれたテストです。多くのユーザーに一斉にプレイしてもらうことで、大量アクセス時にサーバーが耐えられるかを見る「負荷テスト」の意味合いが強くなります。また、発売前に幅広い層へ体験してもらうことで、話題づくりや口コミの形成といったプロモーション的な効果も期待できます。
 
このようにクローズドβは「品質の作り込み」、オープンβは「規模の検証と話題づくり」といった具合に、狙いが異なります。タイトルの規模や開発状況に応じて、両者を段階的に実施するケースも少なくありません。
 

<活躍できる職種>

・プロデューサー
プロデューサーの目的は、リリースまでのプロジェクト全体の統括と管理です。リリースイベントの際に、ユーザーにどのようにしてゲームの魅力を売り込むかを考える必要があります。
 
・ディレクター
一通りのイベントなどのコンテンツを実装した状態です。プランナーやプログラマーなどに対し、問題点があればすぐに報告してもらうなど、チームマネジメントを怠らないことが重要です。
 
・プランナー
完成形にほぼ近い状態なので、仕様書と細部が異なっていないかなどをしっかりと見極める必要があります。
 
・プログラマー
仕様書で必要とされるデータがすべて備わっているか、深刻なバグがないかを細かくチェックします。
 
・デザイナー(2Dデザイナー/3Dデザイナー/キャラクターデザイナー等)
ゲームのイメージ通りのデザインができているかをチェックします。
 
・サウンドクリエイター
ゲーム内の音楽やBGMが作成できているか確認します。ゲームの世界観を損ねていないかが需要です。
 
・カスタマーサポート
ベータ版をプレイしたユーザーから寄せられた情報をもとに、制作部門へのフィードバックを行います。
 
・営業
営業担当者もゲーム全体を見通せるプロデューサーやプランナー的な思考が求められます。

 

5. ⑤製品版(最終版)の作成

ゲーム開発
アルファ版とベータ版を経て、製品版(最終版)が完成します。別名マスターアップ版ともいいます。
 

5-1. 少しでも快適なゲームプレイができるようにオプティマイズとバランス調整

快適なゲーム環境のためには、オプティマイズが欠かせません。オプティマイズとは最適化の意味で、ゲームがスムーズに動作するように細かく調整する作業です。
また、バランス調整をおこなうことで、ユーザーが快適にプレイできるゲーム環境を整えます。
 

5-2. デバッグ作業

製品版が完成しても、まだまだ安心はできません。実は深刻なバグが残っていた、なんてことも十分にあり得ます。そのため、発売が延期にならないためにも、しっかりとデバッグ作業を行うのです。
 

5-3. プロモーション活動

製品版は完成してから1~2ヵ月後に市場に出回るようになります。そのため、発売前のプロモーションが欠かせません。
 

5-4. プラットフォーム審査・レーティング対応

製品版が完成しても、すぐに世の中へ公開できるわけではありません。多くの場合、配信先となるプラットフォームの審査を通過する必要があります。
 
たとえばスマートフォン向けゲームであればApp StoreやGoogle Play、PCゲームであればSteamなど、配信先ごとに審査や規約の確認が求められます。審査では、課金の仕組み、広告の表示方法、個人情報の取り扱い、年齢区分(レーティング)、暴力表現などのコンテンツ内容といった点が確認の対象となります。
 
また、CEROをはじめとするレーティング機関による年齢区分の取得が必要になる場合もあります。表現内容によって対象年齢が変わるため、想定するターゲット層に合わせた調整が求められることもあります。
 
これらの審査には一定の期間がかかり、内容によっては修正を求められて再申請となるケースもあります。「開発が終わればすぐ公開できる」わけではないという点は、スケジュールを組むうえで押さえておきたい注意点です。
 

<活躍できる職種>

・プロデューサー
ゲームの売上に直結するプロモーション作業はプロデューサーの腕の見せ所です。ゲームの面白さを市場に伝えることで、多くのユーザー獲得につながるでしょう。
 
・ディレクター
最終的なバランス調整など、ユーザーにとって快適なゲーム環境の作成に尽力します。
 
・プランナー
製品版が完成すると、数ヵ月後には世に送り出すことになります。そのため、各部に重大なミスがないかどうかの確認を行います。
 
・プログラマー
製品版は市場に出回るバージョンといえるため、細部までしっかりとデータを作りこんでおきましょう。
 
・ゲームテスター
デバッグを専門に行う職種です。ゲームシステムに問題はないか、軽微なものから重要なものまで、バグがないかをチェックし、問題を水際でせき止める役割を持ちます。
 
・営業
完成したゲームを売り込むのは営業の仕事です。制作に携わったスタッフのためにも、しっかりとプロモーション活動を行います。

 

6. ⑥サービスの運営・維持

ゲーム運営
ネットワークゲームやソーシャルゲームはリリース後も運営と開発、調整を続ける必要があります。タイトルによっては、このサービス維持の努力が開発以上に売上に直結するケースもあるため、慎重に行っていきます。
 

6-1. 不具合修正・対応

リリース後のユーザーの反応をチェックし、改善すべき点を洗い出します。不具合があればすぐに対応し、ユーザーにとって快適なゲーム環境を維持・運営しなくてはなりません。
 

6-2. 追加要素やイベントの開発

ユーザーに長い期間楽しんでもらうため、新しいアイテムやイベントなどの追加要素を開発します。期間限定のキャンペーンを企画するなど、常に新鮮なイメージを損なわないことが重要です。
 

6-3. KPI数字に応じた対応

KPIを元にした数字の分析を行います。KPIとは重要業績評価指標のことで、目標に対してプロセスが適切かどうかを計測する指標となっています。ユーザーのイベント参加率などを分析し、問題点があれば改善して次につなげていきます。
 
このように、問題点の反省を繰り返すことで改善を進めていくのです。
 

6-4. ユーザーの声をもとに改善のサイクルを続ける

運営型のタイトルでは、リリースがゴールではなくスタートです。ユーザーの声を拾い上げ、改善を続けていくサイクルが、サービスを長く続けるうえで欠かせません。
 
改善のヒントは、ストアやSNSに寄せられるレビュー、カスタマーサポートへの問い合わせ、そしてゲーム内で記録される行動ログなどから得られます。これらをもとに、どこにユーザーの不満やつまずきがあるのかを見つけ出します。
 
また、継続率、課金率、離脱ポイント、イベント参加率といった数値を継続的に確認することも重要です。たとえば特定のステージで離脱が多ければ難易度を調整する、イベントの参加率が伸びなければ内容や報酬を見直すなど、データにもとづいてアップデートやバランス調整につなげていきます。
 
こうした運営を支えるのは、開発チーム・運営チーム・カスタマーサポートチームの連携です。リリース後もこれらのチームが情報を共有し合い、協力してユーザーの体験を高め続けることが、運営型タイトルの成功につながります。
 

<活躍できる職種>

・ディレクター
面白いゲームとしてユーザーから認められたかどうかは、KPIとしてしっかりと現れるもの。ゲームの改善や次回作への経験蓄積など、しっかりとKPIを意識すし、対策を指揮する必要があります。
 
・プランナー
イベントでどれくらいの集客があったかなど、当初に設定したKPIと実際の数字を見比べながら、新規キャラクターの追加やイベントの企画などを担当します。
 
・プログラマー
新規イベントの企画などに合わせてプログラムを行います。また、バグなどが見つかった場合、迅速に修正対応を行います。
 
・カスタマーサポート
ユーザーから寄せられた不具合などの情報をまとめ、プランナーやプログラマーにフィードバックを行います。

 

7. ゲーム開発におすすめのゲームエンジンは?

本項では、ゲーム開発にオススメである代表的なゲームエンジンを紹介します。
 

7-1. Unity(ユニティ)

【使用言語】
・C#(エンジン自体はC言語/C++で記述)
 
【特徴】
・さまざまなプラットフォーム(PS5/Windows/Mac/iPhone/Androidなど)で制作可能
・主にブラウザゲームやスマートフォンのアプリゲームで活躍
・2D/3Dゲームのどちらも作成でき、特に3Dゲームは簡単に作成可能
・チュートリアルが多数用意されており、簡単にゲーム開発のスタートダッシュを切ることができる
・最新シリーズは2024年10月リリースの「Unity 6」で、描画性能やライティング、マルチプレイヤー開発の機能が強化されている※1
・年間の総収益および調達金額が20万ドル未満の場合、無料のPersonal版を利用できる※2
 
※1:「Runtime Fee」は撤回され、従来のプランごとの料金体系に戻っています。また、Unity 6以降では「Made with Unity」のスプラッシュスクリーン表示が任意となりました。
※2:Personal版の無料利用の上限は、以前の「年間売上10万ドル以下」からUnity 6のリリースにあわせて緩和されました。ライセンス条件や価格は改定されることがあるため、導入前に公式サイトで最新情報を確認してください。
 

7-2. Unreal Engine 5(アンリアルエンジンファイブ)

【使用言語】
・C++
 
【特徴】
・描画の美しさに定評があり、ゲーム以外の分野でも使用実績がある
・ゲーム開発をビジュアル的なマウス操作で行えるブループリント機能を搭載
・精細な形状を扱う「Nanite」やリアルタイムのグローバルイルミネーション「Lumen」により、高精細でリアルな映像表現が可能
・基本的に無料で利用可能※1
・次世代バージョンとなるUnreal Engine 6の開発も進められている※2
 
※1:ゲームを有償販売し、生涯収益が100万ドルを超えた場合には、超過分に対して5%のロイヤリティを支払う必要があります。
※2:2026年7月時点でUnreal Engine 6は開発中で、本格的な利用が広がるのはもう少し先になる見込みです。料金やロイヤリティの条件は変更される場合があるため、利用にあたっては公式サイトで最新の規約を確認してください。
 

7-3. Cocos2d-x(ココスツーディーエックス)

【使用言語】
・C++
・JavaSctipt
・Lua
 
【特徴】
・描画はOpenGLを用いた処理が行われており2Dに最適化
・iOS/Android/Windowsなどの複数OS(プラットフォーム)に対応したアプリやゲームを一つのソースコードから作成可能
・オープンソースで開発されているため、有志によって更新されたソースコードを閲覧できる
・MITライセンス制度により、条件を満たせば商用であっても無料で利用可能
 

7-4. 開発規模やジャンルに合わせてゲームエンジンを選ぶ

ここまで代表的なゲームエンジンを紹介してきましたが、大切なのは「有名だから選ぶ」のではなく、作りたいゲームに合わせて選ぶことです。2Dのスマホゲーム、3Dのアクションゲーム、個人開発の小規模タイトル、大人数が同時に接続するオンラインゲームなど、目的によって適したエンジンは変わります。
 
エンジンを比較する際は、次のような観点で検討するとよいでしょう。
 
・対応プラットフォーム
作りたいゲームを、狙っている端末(スマホ・PC・コンシューマーなど)で動かせるか。
 
・チームの習熟度
開発メンバーが扱い慣れている言語やエンジンか。学習コストも考慮する。
 
・アセットの使いやすさ
素材やプラグインが充実しているか、必要な機能を効率よく用意できるか。
 
・運用コスト
ライセンス料やロイヤリティなど、長期的に見て負担が見合うか。
 
たとえば、高精細な3D表現を売りにするならUnreal Engine 5、幅広いプラットフォームに対応した2D・3Dタイトルや個人開発ならUnity、軽量な2Dタイトルに絞るならCocos2d-x系、といった具合に、用途から逆算して選ぶのがおすすめです。
 

8. ゲーム開発によく使用されるプログラミング言語


ゲーム開発ではプログラミング言語は必須となります。また、プログラミング言語の中でもゲーム開発によく使用されるものがいくつか存在しています。
 

8-1. C++(シープラスプラス)

C++は、高い知名度を持つプログラミング言語の一つである「C言語」をより高度に使えるように拡張したものです。家庭用ゲーム機などのコンシューマーゲーム開発でよく用いられており、UnrealEngineやCocos2d-xなどのゲームエンジンでも使用されます。
 
習得難易度が少し高いですが、コンピュータが理解しやすいプログラムを作成できるので、処理速度が高いゲームを作成できます。
 

8-2. C#(シーシャープ)

由来の一説がC++をさらに進めたもの(C#がC++++に見える)であり、実際にもCやC++と比較してさまざまな制限や改良が加えられているプログラミング言語です。C++とJavaをベースに両言語のいい部分を取り入れて作られた言語で、比較的書きやすく学びやすいとされています。
 
ゲーム制作で人気が高まってきており、UnityとC#を組み合わせてゲーム開発を行うことが非常に多いことから、Unityを使用するなら必須といえます。
 

8-3. JavaScript(ジャバスクリプト)

JavaScriptは、Webブラウザ上で動作させるためのスクリプトとして誕生した言語で、ウェブサイトで使用されている身近な学びやすい言語であるともいわれています。ブラウザゲーム開発でよく使われていましたが、近年ではそれ以外の環境でも広く利用されており、Unityでも拡張されたJavaScriptを選択して使用可能です。
 

8-4. Swift(スイフト)

Swiftは、iOS/macOS/Linuxで利用できるプログラミング言語です。Appleから提供されているApple製品のアプリを開発するための言語なので、iOS向けのモバイルゲーム開発には必須といえるでしょう。
 
学習難易度は少し高いですが、iPhone等ですべての機能を利用できることから、しっかりとしたクオリティのiOS用アプリを作成できます。
 

8-5. Ruby(ルビー)

Rubyはストレスなくプログラミングできるように設計されたプログラミング言語で、日本で開発された言語としては初めて国際電気標準会議(IEC)で国際規格に認証されました。文法がシンプルで初心者が身に着けやすく、書いたコードも読みやすいという特徴があります。
 
ゲーム制作では、ソーシャルゲームやモバイルゲームの開発によく使われているようです。
 
日本で作られた言語であるため、日本語のドキュメント類が非常に充実しています。また、日本のコミュニティも多く、日本語の入門講座や最新情報を探しやすいという点は初心者にとっての大きなメリットです。
 

8-6. 開発領域によって使われる言語は異なる

ここまで紹介してきた言語は、それぞれ得意とする領域が異なります。ひとくちに「ゲーム開発」といっても、実際にはクライアント開発、サーバー開発、ツール開発、スクリプト実装など、複数の領域に分かれており、領域ごとに使われる言語が変わってきます。
 
たとえば、ゲーム本体(クライアント側)の開発では、処理速度が求められることからC++や、Unityと組み合わせるC#がよく使われます。一方、オンラインゲームのサーバー側や、運営を支える各種ツールの開発では、JavaScriptやRubyなどが使われることもあります。
 
つまり、「どの言語を学ぶべきか」は一律に決まるものではありません。自分が作りたいゲームや、目指す職種から逆算して考えるのが近道です。スマホ向けの3Dゲームを作りたいならUnityとC#、iOS向けアプリならSwift、サーバーやツール側に関わりたいなら別の言語、というように、目的に合わせて優先的に学ぶ言語を選んでいきましょう。
 
ゲームプログラマーにおすすめの言語についてもまとめた記事がありますので、併せて参照してみてください。
ゲームプログラマーにおすすめのプログラミング言語12選
 

9. ゲーム開発のための学習方法

本項では、ゲーム開発のための知識やスキルを学ぶ方法を紹介します。
 

9-1. 学習サイト・サービス

ゲーム制作に必要な技術を学びたい場合は、ゲームエンジンやプログラミング言語について学べる学習サイトやサービスを活用しましょう。
 
Unityの使い方を簡単なゲームを作りながら学ぶドットインストールやUnreal Engineの学習ビデオを無料で視聴できるUnreal オンラインラーニングなど、メジャーなゲームエンジンは学習サイトも充実しています。プログラミング言語は、高校生までの子ども向け教材であるCode.orgやゲーム感覚で学ぶCODEPREPといったさまざまなニーズに対応しており、自分のスタイルに合わせた学び方を選ぶことができます。
 
また、学習費用を用意できるのであれば、ヒューマンアカデミー ゲームカレッジやTechAcademy(テックアカデミー)といったプログラミングスクールに通うのもオススメです。現役のエンジニアに直接教えてもらえるため、現場で役立つゲーム開発ツールの使い方を効率よく学べます。
 
その他、モチベーションを維持できない、理解できない部分があっても質問できない、学習内容が偏るケースがあるといった独学で学ぶ際に発生するデメリットも回避できます。
 
【本記事で紹介したゲームエンジンの学習サイト(一例)】
Unity:ドットインストール
Unreal Engine:Unreal Engine Online Learning
Cocos2d-x:STUDY Cocos2d-x
 

9-2. 書籍

ゲームを作るうえで役立つ書籍はピックアップ形式で紹介します。
 
「ゲームを動かす技術と発想R」
「ゲームを動かす技術と発想R」は「ゲーム機でゲームが動く原理」の基本をわかりやすく紹介する書籍で、以前には紹介記事も掲載しました。ゲーム機の中ではどのようなことが起きるのか、アニメーションや3Dとはどのようなものなのかということが分かる他、数学や物理の理論がわかりやすい解説とイラストで解説されています。
 
ゲームプログラマを目指す人やゲームプログラマと接する人はもちろん、自分がどの技術を学んでいきたいかを知り、進むべき進路・キャリアパスを見定めるきっかけにもなります。また、プログラムコードが一切載っておらず、プログラミングにあまり触れてこなかった人でも理解できるようなわかりやすい解説となっているのも魅力です。
 
「売れるゲームのUI/UX 制作現場の舞台裏」
「モンスターストライク」、「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア」、「戦国大戦」といった人気タイトルを通して、ゲームのUI(ユーザーインターフェイス)とUX(ユーザーエクスペリエンス)について解説する1冊です。マーケティング・広告領域における知識やUI/UX開発者達へのインタビューなども掲載されているので、直接かかわらない人たちにも有用な1冊です。
 
各種エンジンの学習本
ゲームにはさまざまなジャンルがあり、それぞれを得意としたゲームエンジンが存在しますから、自分が使うエンジンはもちろん、その他のエンジンの知識を付けておくことは非常に有用です。
 
おすすめゲームエンジンの項にて紹介したエンジンのものを例として挙げると、「見てわかるUnityゲーム制作超入門」、「Unreal Engine 4で極めるゲーム開発」、「はじめてでもよくわかる!Cocos2d-xゲーム開発集中講義」といった学習本は手元に置いて損はしないでしょう。
 

10. まとめ

企画・検討→プロト版の作成→アルファ版の作成→ベータ版の完成→製品版(最終版)の作成→サービスの運営・維持というフローを経てゲームは完成します。各段階やバージョンにおいて、多くのスタッフが携わっていることがお分かりいただけたでしょう。
 
各フローにおいてどのような職種が活躍しているかを解説しているので、自分が興味のあるもの、適正があると思うものを選んでみてはいかがでしょうか。
 

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