ゲームクリエイターになるのに必要・有利な資格とは?試験内容も説明
「ゲームクリエイターになりたいけど、未経験から飛び込むのは難しいのではないか」とお考えの方も多いのではないでしょうか?
そういった不安から「ゲーム業界の仕事に活かせる資格があれば取得しておきたい」と思われるかもしれませんが、実は特別な資格は必要ありません。
しかし、資格の取得がまったくの無意味になることも決してありません。
今回はゲームクリエイターを目指す際の資格だけでなく、各役職の仕事内容や必要な能力と合わせて解説します。
目次
1. 資格は必要なく、実践的な知識やスキルが求められる
前述の通りゲームクリエイターを目指すには、「とくに決まった資格が必要」、ということはありません。
大学卒以上である必要も少なく、専門学校やスクール、独学で学んだ経験を活かし、それが企業の求める基準点に達していれば採用されるというケースがほとんどです。
つまり、資格や学歴よりも実践的な知識やスキルが重要なのです。
また専門学校やスクールで習った内容だけでなく、自分の制作物をアピールすることも大事といえます。
技術力だけでなく発想力や情熱を伝えることで、作品を通して会社側に熱意を汲み取ってもらえるようにしたいところです。
2. ゲームクリエイターになる上であると有利な資格
「ゲームクリエイター」といっても多くの職種があります。
ゲーム制作の全体を管轄するプロデューサーやディレクター、企画立案や制作進行を行うプランナー、データを作成するプログラマーやグラフィックデザイナーなど、多くの職種のチームによって一本のゲームが生み出されています。
中でも、プログラマーやグラフィックデザイナーを目指す場合は、必須ではないものの資格があったほうが就職や転職で有利になる場合があります。
資格があれば書類審査の際にアピールできますし、何より取得するまでに勉強する姿勢こそ、知識やスキルの向上に欠かせないものになるためです。
ここでは、ゲームクリエイターを目指す際にあると有利な資格をご紹介します。
2-1. 情報処理技術者試験
「情報処理技術者試験」とは、情報処理関連の国家資格の一つで、経済産業省が主催しています。
IT業界へのパスポートとも呼ばれており、ゲームプログラマーとして必要な知識とスキルの証明になります。
情報処理技術者試験は12の区分に分かれており、プログラマーとしてITエンジニアのレベルアップを目指すのにふさわしい資格といえます。
技術面だけでなく管理や経理のスキルも身につけられるため、職務において広く応用することができます。
また、ゲームプログラマーとしてITエンジニアとしてのキャリアを始めるには、「基本情報技術者試験」がおすすめです。
これはITエンジニアの登竜門ともいわれており、これに合格できるかどうかが自分のスキルの棚卸にもつながるかもしれません。
現状の実力を知り、アピールできる点を増やせる意味でも、受けておくべき資格といえるでしょう。
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2-2. C言語プログラミング能力認定試験
「C言語プログラミング能力認定試験」とは、サーティファイ情報処理能力認定委員会が主催する資格で、システムの仕様変更などに対し、コーディングやコンパイル、デバック作業を行い、プログラムを完成させるための能力を測る試験です。
1級から3級まであり、3級はC言語の理解と簡単なプログラム作成、2級は小規模のプログラムを簡潔に作成でき、基本アルゴリズムへの理解、1級はC言語を駆使して言語処理系などの応用プログラムを作成でき、各種OSへの理解を持っていることが取得条件です。
資格の取得によって自己スキルの棚卸や、志望先の会社へのやる気のアピールに繋げることができるでしょう。
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2-3. Java【TM】プログラミング能力認定試験
「Java【TM】プログラミング能力認定試験」は、C言語プログラミング能力認定試験と同じくサーティファイ情報処理能力認定委員会が主催する資格試験であり、Javaを学ぼうと考えている方にとっておすすめの資格です。
試験には1級から3級まであり、3級はJavaの基本知識と簡単なプログラムの作成、2級はJavaを用いた小規模なプログラムの作成と、一般的な概念の理解、1級は分析や設計など業務システムの流れを理解し、仕様の変更などにあわせて適切なプログラム能力を持つことが必要とされます。
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2-4. CGクリエイター検定
「CGクリエイター検定」とは、CG-ARTS協会が主催しており、「CGで表現する」デザイナーやクリエイターのための検定です。
資格にはベーシックとエキスパートの2つの種類があります。
ベーシックはCGや3次元CGなどの基礎を、エキスパートではモデリングやCGアニメーションの専門的な理解と知識が求められます。
ゲーム業界はもとより、CGディレクターやCGアニメータ、CGデザイナー、グラフィックデザイナーを目指す方におすすめの資格です。
→CGデザイナーのための資格“CGクリエイター検定”について徹底解説!
2-5. CGエンジニア検定
「CGエンジニア検定」はCGクリエイター検定と同じくCG-ARTS協会が主催しており、「CG分野の開発や設計」を行うプログラマー向けの検定です。
ゲーム制作だけではなく、産業や学術分野などさまざまな領域においての開発力が求められます。
試験にはベーシックとエキスパートがあり、ベーシックはCG技術への基本的な理解とプログラミングの能力、エキスパートではCG技術への専門的な理解とソフトウェアやハードウェア、システム開発の知識を応用できるかを測る試験となっています。
→プログラマーのおすすめの資格“CGエンジニア検定”について徹底解説!
2-6. グラフィックデザイナーを目指すなら他にも有利な資格が存在
グラフィックデザイナーを目指すには、いくつか有利になる資格があります。
たとえば、サーティファイ情報処理能力認定委員会が主催する「Illustratorクリエイター能力検定」や「Photoshopクリエイター能力検定」などは、実際の業務で頻繁に使うソフトのスキルを証明できる資格といえるでしょう。
公益社団法人 日本印刷技術協会が主催する「DTPエキスパート」は印刷業界でのデザイン資格ですが、ゲームのグラフィック作成にも応用が可能です。
また、文部科学省後援の「色彩検定」などもその一つです。色の持つ意味を論理的に理解し、クリエイティブに活かす力を養うことができます。
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3. 資格以外にあるとゲームクリエイターに有利な要素
専門学校やスクールで学んだ知識やスキルのほかにも、ゲームクリエイターに有利な要素は複数あります。
それは、チームワーク、忍耐力、社会的責任感、トレンドに対するアンテナの4つです。
3-1. チームワーク
ゲームの制作はチームプレイなので、個人だけでなく集団の中での対応力も求められます。
一人でコツコツと作業できる職種もありますが、大半はほかの部署と連携しながらゲーム制作を進めなくてはなりません。
そのため周囲を気遣ったり、次に仕事を渡す相手を意識した仕事の仕方が大切です。
3-2. 忍耐力
ゲーム制作は常に納期との闘いです。
作品が完成する直前は残業が多くなることもあるでしょう。
その際に、体力的にも精神的にも耐えられるだけの忍耐力が必要とされます。
ときにつらいと感じることもあるかもしれませんが、ゲームの完成をイメージしながら、ユーザーに楽しんでもらえる作品を世に送り出すためにも、忍耐力をもってがんばる姿勢が重要です。
3-3. 社会的責任感
社会人としてゲーム開発に携わる以上、社会的な責任をもって業務に取り組まなければなりません。
とくに、ゲーム全体の流れを決めるプロデューサーやディレクターの社会的責任は重大です。
世の中にゲームを送り出し、ユーザーにプレイしてもらうということは、農産物や機械製品を出荷するのと同様に社会的責任を負うことになります。
3-4. トレンドに対するアンテナ
ゲームの流行は常に変化しています。
いつまでも同じ感性や思考のままでは、同業他社に取り残されてしまうでしょう。
そのため、現在どんなゲームが売れているのか、どのような技術が開発されているのかを知るために、日ごろからアンテナを高くしておく必要があります。
職場のネットワークだけでなく、書籍やWEB、SNSを使って最新の情報を収集しておきましょう。
4. 十分な資格があっても不採用になる恐れのあるケース
このコラムを熟読されている人の中には、「とにかく持っていれば確実に会社に受かるという資格が知りたい」というニーズを持っている人もいらっしゃるでしょう。
そのためここからは、少しネガティブながら「十分な資格を有しているにも関わらず不採用になる場合」について説明していきましょう。
就職に有利になるように資格取得をする人は多いですし、もちろん資格を取ること自体は悪いことではありません。
しかし、資格取得の目標が就職試験に受かることだけの比重が高く、自分を大きく見せることに熱心な人がいます。
自分がやりたいことを補強できる資格であれば、「○○の分野が得意で資格も持っています」とアピールできますが、目的性が薄い資格だけのアピールは、「単に内定が欲しいだけで、入社後の夢やビジョンがない人」と思われて不利になるケースもあるので気を付けましょう。
また、正直なところ、「これさえあれば内定をもらえる」というような便利な資格は存在しませんから、目的性が薄い資格取得よりもスキルや実績のアップに取り組みましょう。
4-1. 自分の持つ経歴や実績と志望した会社の業務内容・社風がミスマッチ
そもそも過去の経歴や実績が志望する会社に合っていない場合、どれだけ実績をアピールしても不利になるだけです。
まず、志望する会社の事業や社風を確認して、ミスマッチでないかを確認しましょう。
ミスマッチがあることは踏まえた上でエントリーをするのなら、その企業にとってプラスをもたらせる何かを提示することを必須と考えましょう。
もしプラス材料が思い浮かばないのなら、お互いに時間を浪費するだけですから、厳しいようですが別のエントリー先を探すことをおすすめします。
4-2. 面接官に自分の魅力が十分に伝えられない
技能はあるのに面接で自分の魅力を伝えられない残念なケースもあります。
自己PRではアピールポイントを明確にすること、ぼんやりした話でなく具体的なエピソードや成果を、できるだけ客観的に盛り込むことを心がけましょう。
もしポートフォリオの提出が伴う場合、少しでも魅力的に映るように見せ方も勉強する必要があります。
PRは謙遜しすぎ、盛りすぎにならないようにすることが重要ですが、その境目がどこかわかりにくいと思う人もいるかもしれません。
技能や成果、実績のアピールは、できること、できたことを定量的に示すことが重要です。
謙遜しがちな人はアピールが控えめになる傾向がありますが、小さいと思う技能や成果でも採用担当者の目に留まることもありますから、実績はしっかり紹介しましょう。
逆に盛りすぎというのは実際の実績にプラスアルファをしてしまう人です。
面接官はプロですから、嘘はばれるものと考えてアピールの仕方を考えましょう。
また、単に実績を並べるだけでなく、どのような努力で成果にたどり着いたか、何を学んだか、これからどうして活かしていきたいか、などは自分の魅力を伝える材料になるので、意識的にアピールしましょう。
さらに、一貫性が無いアピールが不利になることもあるので気を付けましょう。
例えば新卒ですと、就活でエントリーシートを出してから面接までに間が空くケースもあります。
その間にいくつかの企業の試験に臨んでいると、自分なりにアピールポイントを改善していく人が多いと思います。
しかし、エントリーシートの内容と面接時の話にズレがあると面接官の違和感が生まれて不利になることもあります。
面接の際はエントリーシートを再読して、不一致が無いようにしましょう。
あえて内容を変えたい場合は、時間が経過する中で主張を変えたことをていねいに説明しましょう。
4-3. 純粋に力量が不足している
ゲームクリエイターは希望者が多い人気の業種ですから、優秀な人が多数エントリーします。
そのため、技能や資格は十分にあり、特別にマイナスポイントが無い人でも不採用になることはありえます。
力量についてはどこがラインかと示すことはできませんので、日々自分のスキルや実績を高めることを意識しましょう。
また、現状の自力を客観的に分析して、特殊なスキルがある人は普遍的な部分にも目を向けること、平均的な技能が特徴の人は、得意な分野をさらに伸ばすことなども有効です。
5. まとめ
今回説明した通り、ゲーム業界でゲームクリエイターとして働きたいと思った場合、資格はそれほど重要ではありません。
専門学校やスクール、独学で学んだ知識とセンス、熱意を全力でアピールしていきましょう。
自分の作品などを見せながらプレゼンができるとなお効果的です。
ただし、資格がまったくの無駄になることはありません。
資格を持っていることで書類審査時のアピールになったり、自分のスキルに自信を持ったりできるようになります。
なにより、資格を取得することを目的にするのではなく、その過程でゲームクリエイターとして必要なスキルを身につけることが大切なのです。
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